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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2013年2月9日(土)
会 場 三菱一号館美術館
会 期 2013年2月9日(土)~ 2013年5月26日(日)
入場料 一般1500円 高校・大学生1000円 小・中学生 500円
図版 2000円

キリスト教的な背景を知らなくても楽しめる印象派の絵画は、とても人気があるのだけれど、印象派の絵の魅力は、何と言っても自由な自然描写と人物表現の親しみやすさではないかと思う。
アメリカの大富豪夫妻が長い年月をかけて、自分達の本当に好きな絵画を集めたコレクションが、美術館の改修の為に、世界を巡回することになり、日本にもやってきた。東京の次は神戸で、その後韓国や中国にも回るそうだ。

私にとって、ルノワールは本物の西洋絵画との初めての出会いだったので、特別な思い入れがあるのだが、とにかく明るい色彩と、少女や女性の健康的でふくよかなフォルムがもうとてつもなく大好きである。今回22点もルノワールが来ていて、初日に喜び勇んで出かけたわけですが、いやあ~、本当に生きている喜びを感じられる作品が盛りだくさん。仕事で疲れた目と心を癒してくれる展覧会です。会期が5月末まであるので、ぜひまた見に行きたいものです。

特に気に入ったのは、ルノワールの『たまねぎ』この作品は、クラーク氏のお気に入りだったそうですが、私も一目見るなり気に入ってしましました。なんて愛らしく、生き生きとした『たまねぎ』なんでしょう。まるで少女が集まってはしゃいでいるような、そんな楽しさが伝わって来るんです。

ルノワールだけではなくて、印象派の名だたる画家の作品が73点。邸宅風の三菱一号館ならではのくつろいだ雰囲気ですごく素敵でした。

カタログも2000円とリーズナブル。印象派は人気があるので、カタログもきっと印刷部数をおおくしているのでしょうね。その辺にも印象派人気を感じます。

今まであまり印象派に興味がなかった娘が、持ち帰ったカタログを見て、見に行こうかな・・・と言い出しました。とにかく、肩の張らない、ただただ美しく、愛らしく、見る人を幸せにしてくれる絵ばかり。

ご家族で楽しめる素敵な展覧会だと思います。初日でも結構込んでいましたので、早いうちにお出かけになったほうがゆっくり楽しめるかもしれません。
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鑑賞日 2013年1月26日(土)
会 場 東京都美術館
会 期 2013年1月19日(土)~ 2013年4月7日(日)
入場料 一般1600円 大学生 1300円 高校生800円
図 版 2400円

ベラスケス、ゴヤとならんで、スペインの3大画家に数えられるエル・グレコの25年ぶりの大回顧展です。世界各地から集められた51点が展示されています。時代的にはエル・グレコが16世紀後半~17世紀初頭で一番早いはずなのだけれど、ずっともっと現代に近い人のように感じていました。生没年をみて、思いのほか古い時代の人なのでびっくりします。死後忘れられていた彼の作品が再評価されたのが19世紀末だそうだから、そのあたりの美術の感性と通じる物があるからそう感じるのかもしれないですね。


スペインで活躍した画家だが、その名の通り名通り、ギリシア人でクレタ島出身。画家としての出発は、イコン画家だったという。今回の展示の中に1点だけだが、彼が制作したイコン画があった。

イコン画家として出発した彼は、ヴェネチアに渡りイタリア各地を転々とし、最終的にスペインのトレドに定住することになる。エル・グレコと聞くとまず思いうかげるのは、長く引き伸ばされてうねるようなフォルムの宗教画なのだが、今回多く展示された肖像画に驚いた。写真のように精密な描写ではないのに、描かれている人物が確かなリアリティを持って画面に存在している。
写真のような細密な画面にこそリアリティを感じるもののように思いがちだが、どうやらそうでもないらしい。荒々しいとも取れる筆使いだし、どうみても、遠近法やデッサンが狂ってようにしか見えないし、天上世界と地上世界が入り混じった混沌とした画面構成なのに、圧倒的な存在感とリアリティを持った絵だと感じた。

エル・グレコは美術好きなら聞いた事がある名前ではあるだろうけれど、印象派の画家や、ルネサンスの有名画家のような知名度があるわけではないので、会場は程よい混み具合で快適に鑑賞できた。
今後TVなどで放映されると、混みだすかもしれないので、見に行かれるならば早目がいいかもしれない。





鑑賞日 2012年10月27日(土)
会 場 国立新美術館
会 期 2012年10月3日(水)~ 2012年12月23日(日)
入場料 一般1500円 大学生 1200円 高校生800円
図 版 2500円

スイスとオーストリアの間にある小国「リヒテンシュタイン侯国」。ヨーロッパの複雑な歴史を理解するのはあまりに難しいです。とりあえず理解できたのは、リヒテンシュタイン侯爵家が芸術の守護者として存在し続けようとしてきた意思の強さでしょうか。

連日残業続きだったので、朝はゆっくり家を出て、お昼頃に到着。混んでいるかと思いきや、会場はゆったりと鑑賞できる状態でした。誰もが知っている作品というのは確かになかったけれど、宮殿の一室を思わせるような広い展示室でタペストリーや絵画、家具等を配置した「バロックサロン」はなかなか面白かったです。中国製の磁器をタワー状に積み上げ金の金具で留めた巨大燭台は、びっくりしました。豪華な家具や食器等も興味深かったです。王侯貴族の生活空間のサイズ感を体感する機会はなかなかないですから、
なかなか良い展示方法だと思います。

出品されている作品は、超有名というものではなくても、良いものが多く楽しめました。
ルーベンスの作品は特によかったです。ルーベンスの作品を実際に見ると、描かれた人物の表情にリアリティを感じます。大作になると当然ながら工房作となり、小品に見るような本当に生き生きした表情は薄くなってしまうように思います。上野の西洋美術館にある眠る子供の絵や、今回ポスターにもなっている、娘を描いた絵などは、早い筆使いで見る者を引き付ける瑞々しい生気が溢れているように感じます。

クリスマス前まで会期はあるようですから、六本木に買い物にでも出られたら、お立ち寄りになってはいかがでしょうか。



鑑賞日 2012年9月8日(土)
会 場 三菱一号館美術館
会 期 2012年9月8日(土)~ 2013年1月6日(日)
入場料 一般1500円 高校・大学生1000円 小・中学生 500円
図版 2300円

日本で初めてのシャルダンの個展です!三菱一号館美術館のwebサイトで、シャルダン展が開催される事を知った時から、ずっとこの日を待っていました。18世紀フランスを代表する静物画・風俗画の巨匠なのに、日本ではほとんど知られていません。シャルダンと聞いて頭に浮かぶのは、某メーカーの芳香剤なのではないかと思います。どちらが先かと言えば、勿論画家シャルダンが先。

日本ではフェルメールが大人気ですが、シャルダンの作品は、フェルメールの作品に引けを取らないくらい、日本人好みのものではないかと思います。何気ない日常の雑器や生活を描きながら、ゆるぎない普遍性を持った絵なんです。シャルダンはフェルメールほどではないにしても、60年の長きに渡る画業に比べると寡作と言えます。作品1つ1つの完成度の高さを見れば、その理由は明らかです。

38点という点数は、少なく感じられるかもしれませんが、展覧会を見終わった時の満足感は、非常に高く、何度でも足を運び、再び1点1点をゆっくり味わいたい!と思う事でしょう。38点を見る為に、1時間半かけてもまだまだ足りないと思いました。

会期は始まったばかりですが、混まないうちにぜひ見に行ってください。静かに絵の前に立って、ゆったりと絵と対話してみてください。絵画の豊かさをきっと実感できるはずです。
ポスターにもなっている、木いちごの籠は本当に素晴らしく、こんな絵を所有し、毎日見る事が出来る人はどんなに幸せだろう・・・とうらやましくなってしまいました。

もう一回、絶対見に行きたいと思います。


鑑賞日 2012年8月26日(日)
会 場 東京芸術大学美術館
会 期 2012年7月12日(木)~ 2012年9月17日(月)
入場料 一般1400円 大・高校生800円 

大学の卒論で遼代墳墓壁画をテーマに取り上げたので、この展覧会は楽しみにしていた。近年発掘調査が進み、謎が多かった契丹について、いろいろな事がわかってきたらしい。大唐帝国が滅んだ後、中国東北部に興ったこの国は、世界帝国としての唐の文化を引き継ぎ、思っていた以上に高い文化水準を持った国だったのだ。
今回出品されていた物は、遼王家の女性の墳墓や建立した仏塔から発見されたものが中心なのだが、宝飾品や工芸品は非常に精緻なもので、正直驚いてしまった。特に、正倉院宝物などとも共通する東西交易による影響なども見られて、興味深かった。今後も発掘調査によって、どんどん新しい事がわかってくるのだろうなあ・・・。とても楽しみです。
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