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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2010年3月14日(日)
会 場 国立西洋美術館
会 期 2010年2月23日(火)~ 5月03日(日)
入場料 一般1500円、大学生1200円 高校生700円
図 版 2700円

国立西洋美術館の開館50周年を記念する展覧会になぜ、フランク・ブラングィン展なのか?国立西洋美術館の収蔵品の中核を構成する松方コレクションであることは知っていたが、松方幸次郎に西洋美術の蒐集のきっかけを与え、蒐集の指南役となったのがフランク・ブラングィンだったというのは初めて知った。恥ずかしながら彼の作品については、まったくの無知。そんな人いたんですか?ってくらい知らなかったんです。
今回、本当に多彩な顔を持つ彼の作品に触れてとても興味深かったです。
特に、産業革命によって生まれた『労働者』と呼ばれる人々の姿を描いた作品はいろいろと考えさせられるものがありました。
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鑑賞日 2010年3月14日(日)
会 場 東京国立博物館 平成館
会 期 2010年2月23日(火)~ 3月22日(月・祝)
入場料 一般1500円、大学生1200円 高校生900円
図 版 2500円

今年没後400年の節目を迎える桃山絵画の巨匠長谷川等伯の日本にある作品をほぼ網羅した大回顧展。東京会場25日間という超短期開催。
国宝3点重要文化財30点重要美術品1点を含む名品ぞろいの展覧会です。
10時10分に会場に到着したときにはすでに入場制限が行われており、50分待ちの状態。幸いにも今日は天気も良く風が無かったので、連れとおしゃべりをしながら待つこと50分(本当に入場まで50分でした)、やっと入場することができました。

展示室は第一会場と第2会場に分かれているのですが、第一会場はかなり混雑しているとのアナウンスがあった為、まずは第2会場から観賞することに。それでもかなりの混雑ぶり。ショーケースの前には二重三重の人垣です。国宝松林図屏風の前は五重の人垣。松林図屏風は国立東京博物館蔵なので、常設に展示されることもあり、一人占めで観賞したこともありましたので、そちらはとりあえずさらっとながす事にしました。今回初めて見た個人蔵の月夜松林図屏風の方を興味深く見ました。等伯の真作ではないようですが、松林図屏風の構図をそっくりそのままに夜バージョンにしたところが面白かったですね。
第2会場での見どころは縦10メートルにも及ぶ大仏涅槃図。鮮やかで細密な彩色の迫力いっぱいの逸品です。あまりの大きさに展示会場の天井からつりさげても高さが足らずに下部は手前に広げられていました。
第1会場は本当に混んでいました。鮮やかで細密な仏画から大画面の障壁画が並びます。今回の展覧会のための調査で等伯の真筆とはっきりした花鳥図屏風、京都智積院の楓図・松に秋草図は圧巻です。桃山の絢爛豪華さと繊細な抒情性を併せ持った作風は、本当にみあきません。柳橋水車図屏風もとてもよかったです。特に橋の下にうねる水流の描線の素晴らしさには感動しました。

ひと月にも満たない会期は、作品保護のため仕方ないだろうと思わせるほど傷んだ作品がいくつかありました。紙に墨で描かれ、寺社の襖としてずっと使われてきた物ですから、痛みは仕方ないのかもしれません。400年の歳月を感じさせるとともに、等伯の作品が実用品として人々の生活の場にあったということがすごいですねえ。

会期はあと一週間。もし行かれるなら開館1時間前に行って並ばないとゆっくり観賞は無理かも知れません・・・・。がんばってみますか?

鑑賞日 2010年3月6日(土)
会 場 ザ・ミュージアム
会 期 2010年3月6日(土)~ 2010年5月9日(日)
入場料 一般1400円 大・高校生1000円 小中学生 700円
図 版 2500円
公式HP

恥ずかしながら、今回の展覧会で初めて知ったのです。ポスターになっている「緑の服の女」が気になっていたので、映画のついでに見ることにしたのです。そんなに期待していなかったのですが、すごく楽しめました。
何しろきれいです。画家本人もまるで女優さんのような美女なんです。絵はどこかで見たような雰囲気があるのだけれど、どれとも違うという個性がある絵なんです。この白の雰囲気は16世紀の画家の色使いににているなあとか、このアングルはあの画科のあの作品を思い出させるなあとか感じるんですよ。そうなんだけれど、目の前にある絵は、燦然としたオリジナリティを持っているんです。それから、彼女の描く女性たちの色香がたまらない。男性が女性の色香を描こうとするのと、女性が自らの性の色香を描くときって、やっぱり違うんだなあ・・・と思いました。

今日が初日でしたが、ものすごい混雑ではなかったにしても、結構お客さんはいました。好きな人にはたまらないかもしれません。
鑑賞日 2010年2月13日(土)
会 場 サントリー美術館
会 期 2010年1月27日(水)~ 2010年3月14日(日)
入場料 一般1000円 大・高校生800円 中学生以下は無料
図 版 2000円
公式HP


サントリー美術館の収蔵品の中から、四季折々の行事に寄せて日本人が生活の中ではぐくんできた「もてなしの心・もてなしの美」を考察するなかなか面白い視点の展覧会。ちょうど学芸員さんによるスライドトークが行われていて、観賞の前に、見どころを確認できてラッキーでした。

日本人の行事と言えば、とにかく飲食中心が多いですよね。お正月のお節、ひな祭りにはちらし寿司とはまぐりのお吸い物、お花見弁当に、端午の節句の粽、月見の団子・・・・。四季折々、人々が集まり飲食を共にする。そのために特別に用意される食器や飾りつけがある。漆器や陶磁器、屏風など、もてなしの場で使われるものと、風俗画や絵巻物に描かれた宴の場面で、日本人が大切にしてきたもてなしの心とはなにか?が考察されています。
気の張らないゆったりとした展示で、のんびりと楽しむことができました。六本木ミッドタウンにお買いものに出かけられるならば、ちょっと寄られてみてはいかがでしょうか。

鑑賞日 2010年2月7日(日)
会 場 国立新美術館
会 期 2010年1月20日(水)~ 2010年4月5日(月)
入場料 一般1500円 大学生1200円 高校生800円 
図 版 2000円
公式HP

ルノワールは私にとって特別な画家といえる。生まれて初めて行った展覧会が彼のものだったからかもしれない。それは本当に幸運なことだったと思う。この時、私の中で「絵を見ることは楽しいこと」という刷り込みができたのだと思う。ルノワールの絵は、見る人を幸せな気分にしてくれる。

ルノワールの両親は仕立てやとお針子。彼の兄姉弟はそれぞれ、彫金師、図案家の妻、仕立て屋などになっている。ルノワール自身磁器絵付けの工房に徒弟として修業に出ている。その後、画塾に通い、モネやのちに印象派となる仲間たちと出会う。彼らと死ぬまで支えあったルノワールだが、第4回印象派展以降、別の道を選んでいく。ルノワールは絵が日常を彩るものであることを肯定している。絵付け工房で接したロココ調の装飾が彼の根底にはある。彼にとって、職人の世界、装飾芸術の世界は身近なものだった。身の回りを彩る美しいものたちに対する素直な愛着が、ルノワールの絵の根底にあるように思う。それが、彼を独自の道に進めていったのだろう。

ルノワールが好んで描いたものは、健康的で豊満な女性であり、子供であり、やわらかな光を帯びた花や静物、風景だ。ひたすらやさしく美しく暖かい。身近において幸せな気持ちになるものばかり。芸術至上主義的な考えからしたら取るに足らないものかもしれないけれど、人間の、やさしくありたいとか、心地よくありたいとかいう素直な感情にこれほど寄り添える絵はないのではないだろうか。実際、彼の絵を見ていると、気持ちがゆったりと暖かくなる。彼自身が美しいもの愛らしいものがとても好きだったのだろう。

初めて知ったのだが、ルノワールは少年のころ大変な美声で、パリの教会の聖歌隊で「アヴェ・マリア」で有名なあのグノーに指導を受けているそうだ。音楽の才能も豊かにあったというのは、とてもそそられる。きっと美しいものに特別感応する素地が豊かにある少年だったに違いない。

今回出展された作品の中で、一番気になったのは、「ブージヴァルのダンス」。ルノワールの友人と、マリー・クレマンティーヌ・ヴァランドン(モールス・ユトリロの母で女流画家シュザンヌ・ヴァランドン)をモデルにした絵だ。セーヌ上流の行楽地でダンスをする若いカップルの絵なのだが、2人の足元に落ちて散らばったマッチの燃えさしやスミレの花束など、多分に若者の恋の甘美な危さのようなものを感じさせる。白いドレスに身を包み、うっとりと男性に抱かれてワルツを踊る若い女性の表情がなんともいえず魅力的だ。彼女がかぶる帽子の鮮やかな赤、男の帽子と靴と呼応するベルトの黄色。背景の緑の木々。ルノワールの色彩感覚は素晴らしいとついつい見入ってしまう。フラゴナールの絵を思い出させるような、えもいわれぬ明るい色気を画面全体から感じる。

ルノワールはたくさん裸婦を描いている。彼の裸婦に色気があるか?と考えると、あまり色っぽいという感じではない。ただ触ったら気持ち良さそうだし、暖かそう。彼の描く裸婦は包容力があって、癒されるんですよね。多分、お母さんのイメージなのかもしれない。


今回図版が2000円と少しお安め。ルノワールは非常に人気のある画家なので、きっと普段よりたくさん刷ったのかもしれないなあ・・・・と、いらんことを考えてしまった。

4月頭まで会期があるので、ご家族で出かけてはいかがでしょう。優しい気持ちになれること請け合い!





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