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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2009年12月21日(月)
入場料 一般300円 要予約 
HP   http://www.iris.co.jp/muse/

ボタンメーカーの株式会社アイリス社屋内のワンフロアにある私設博物館。以前から行って見たかったのです。しかし、会社の中にあるので、平日でないと開館していないのです。展示物が非常に小さなボタンということで、ゆっくり見られるようにと、予約制になっています。たまたま日直の代休が取れたので、今日念願がかなったというわけです。

私設博物館とは言え侮れません。ボタンの世界ってこんなに奥深いものだったのだと感動いたしました。本当に大きくても直径数センチにも満たないボタンなのに、本当に美しい細工が施されているのです。人間の手仕事の緻密さと言ったら!今では技が途絶え、作ることができないものもあるそうです。

服飾に興味がある方、ぜひ一度、見に行かれたらいかがでしょうか?
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鑑賞日 2009年11月28日(土)
会 場 国立西洋美術館
会 期 2009年9月19日(土)~ 12月13日(日)
入場料 一般1500円 大学生1200円 高校生700円
図 版 2300円
公式HP http://roma2009.jp/index.html

会期もあと2週間と迫ってきたので、とにかく行かなきゃ~と出かけた「古代ローマ帝国の遺産展」想像していたより、ずっと面白かったです。
大きな大理石の人物柱や丸ごと建物からはがしてきた壁画といった普通の展覧会とは違ったスケールの大きな作品が並ぶ会場は、いつもの西洋美術館とはまったく違った感じ。

古代ローマ史は詳しくないけれど、とにかくローマ時代にヨーロッパ文明の基礎はほとんど整えられていた。というか、これだけあらゆる意味で進んでいたのに、どうして中世にあんなになっちゃったんだろう?って不思議だ。

ポンペイから出土した銀食器やらブロンズの室内調度品なんて、現代のものとほとんど変わらないって感じです。フレスコ壁画も美しくて本当にびっくりした。

ポンペイとヘルクラネウムは18世紀に発掘されたのだけれど、当時の人々が古代ローマの市民の生活水準に驚愕し、古代ローマブームから新古典主義が広がるのも無理ないだろう。

展示の最後にコンピューターグラフィックスで再現されたポンペイ「黄金の腕環の家」の映像を見ることができるのだが、これは本当に素晴らしかった。こんな別荘に私だって暮らしてみたい~!!

展示を見たあと、記念講演会にも参加して、外に出たときにはとっぷり日が暮れて庭がライトアップされていました。お若い方、デートによろしいかも?!
戯鑑賞日 2009年11月22日(日)
会 場 東京芸術劇場 展示ギャラリー(5階)
会 期 2009年11月17日(火)~ 11月22日(日)
入場料 無料

親切な方がメールでご連絡くださいまして、開催を知ることがことができました。お知らせくださったm様、本当にありがとうございました。

専修大学ベルンシュタイン文庫の収蔵品の展示を見るのは、2007年10月に紀伊国屋画廊(紀伊国屋書店 新宿本店4F)で開催されたフランス革命下の民衆と自由・平等~専修大学「ベルンシュタイン文庫」が語るフランス革命~ 展以来です。

今回は今年度専修大学図書館に新しく収蔵された向井コレクションから江戸期の「戯作と浮世絵」と、ベルンシュタイン文庫から、革命家たちの肖像画と著作、三部会召集に際して提出された陳情書など興味深い資料が展示されています。

某嬢と池袋駅で落ち合い、ランチのあと会場へ。受付で資料をいただき、いざ!14時からの講演会を聞く予定なので、まずはフランス革命のコーナーへ。30名ほどの有名な革命家たちの銅版画の肖像画と著作が展示されています。へ~!!この人はこんな顔をしていたのね~!!と興味深く鑑賞。パリ市長になったバイイさんは天文学者さんだったんですね。鬘なのか地毛なのか、ちょっと変わった髪型しています。ミラボー伯は天然痘の為にあばただらけだったとか言われていますが、肖像画はさすがに天然痘の跡までは描かれていませんでした。著作の方も、小口にマーブル模様が施された上等な感じのものから、結構いい加減なものまであって、面白い~。そのほか、手書きの陳情書やラ・マルセイエーズの楽譜、ルイ16世の遺言書を印刷したもの、マリー・アントワネットの死刑判決書(印刷)、人権宣言たサン・ジュスト作のオルガン、革命期のカリカチュア、百科全書やエジプト誌などの大型本など130点もの資料を見ることができました。
フランスの国立文書館に次ぐ世界でも例を見ないフランス革命期の資料コレクションが日本に存在しているってすごい!!
個人的にちょっと興味をひかれたのは、百科事典の日本語の文字を紹介した前のページが、モンゴル文字(もしかすると女真文字?)で、へえ~アジアの文字もいろいろ紹介されていたんだ・・・と感動。ラペルーズ『世界周航記』の世界地図に添えられたキャプションに「太平洋と北西航路の調査の命をルイ16世から受けて・・・」とあって、おお!無能呼ばわりされているルイ16世ですけど、いろいろやっているじゃないの!!と新たな発見をしたりしました。

講演会終了の後、江戸の展示の方じっくり見ました。南総里見八犬伝をはじめとする読本や草双紙、浮世絵などを堪能いたしました。里見八犬伝の装丁が犬模様ですごく可愛い~。犬好きの某嬢は、「この絵柄の手ぬぐいが欲しいわあ!!」とおっしゃっていました。専修大学さん、作って売り出してくださいませんかしら?

前回より一段と充実した展示を楽しむことができました。また機会があったらぜひ収蔵品を見せていただきたいものです。





鑑賞日 2009年10月30日(金)
会 場 東京国立博物館 平成館
会 期 2009年10月6日(火)~ 11月3日(火)
入場料 一般1300円、大学生1000円 高校生700円
図 版 2000円

今上天皇即位20周年を記念した展覧会。宮内庁所蔵の数々の名品が出品されています。

秋はいろいろなイベントが目白押しで、どうにも会期中の休日に見に行けそうもないとわかった瞬間、『金曜の夜』に出かけることを決心しました。金曜日の夜は午後8時まで開いているのです。定時ぴったりに会社を出れば、約1時間で上野駅に着くことができます。

会場に入ったのが午後7時。ものすごい入場者の数に、あっけにとられてしまいました。第一室は屏風絵。私の大好きな狩野永徳の「唐獅子図屏風」がありました。桃山時代の屏風絵の豪快さは見ていても胸がすかっとします。南蛮屏風の「萬国絵図屏風」油絵の技法を使いながら、どこか和風味も失っていないのが面白いのですよね。
次の部屋は、もう黒山の人だかり。伊藤若冲の「旭日鳳凰図」「動植綵絵」はまさに圧巻!艶やかな色彩と細密な描写はくらくらするほど素晴らしいです。明画の影響を受けていると言われれば確かにそうだなあと感じるのですが、これ以上描いたらあざとくなる・・・そのぎりぎりで立ち止まって、すうっと力を抜いている感じがするんですよね。その力の抜け具合が明じゃなくて、やっぱり日本だって感じます。続く部屋には丸山応挙、岩佐又兵衛、谷文晁、酒井抱一、葛飾北斎などなど、もう、眼福の極であります。

あまりの人ごみに、これは閉館間際になれば多少は空くものと予想を立て、次に進みます。こちらは宮殿装飾と帝室技芸員の展示。こちらも明治・大正の大家達の屏風絵から始まり、さまざまな工芸の名品が展示されています。日本の工芸のレベルの高さを改めて認識しました。もう、七宝の技術なんて、涙出そうでした。フランスのエマイユも素晴らしいですけれど、日本の七宝の繊細さと優美さはまた格別です。こんなに素晴らしい作品を持っているなら、宮内庁さん、もっとどんどん見せてください!!
こういうものを見たら、日本人、みんな自信がつきますよ。こんなに美しいものを、日本人は作れるんだっって!!!!

残り時間が15分を切ったので、もう一度戻って永徳の唐獅子と若冲の掛け軸を見直します。さすがに人の数も減り、さっきよりは間近で見ることができました。若冲はいいです。青物問屋のご隠居さんが趣味で描いていたのですよ。趣味と言っても、その打ち込みようは半端じゃなかったのでしょうね。そういう、とことんのめり込んでしまう趣味人ってかっこいい。日本全図を作った伊能忠孝も、隠居した後にあの大事業を成し遂げたんですよ。いつまでも会社のポストにしがみついて老醜をさらしているくらいなら、さっさと隠居して自分の趣味に打ち込む方が人生として楽しそう。私も子供が大学を卒業するまでは、我慢するつもりですけれど、そのあとは、余生ってことで、趣味に走ろうと計画しています。

え?もう十分走っているだろう?、いえいえ、まだまだこれからなんです!




鑑賞日 2009年10月17日(土)
会 場 東京都庭園美術館
会 期 2009年10月10日(土)~ 12月23日(水)
入場料 一般1000円、大学生800円 小・中・高校生500円
図 版 2000円


1659年(万治2)10月15日、オランダ東インド会社によって長崎から5,748点の陶磁器を積んだフォーゲルザンク号が出帆し、日本からヨーロッパに向けて本格的に陶磁器の輸出が始まって、今年で350周年を迎えたそうです。それを記念して開催されたこの展覧会には、パリ在住のコレクター碓井文夫氏の収集品を中心に、165点が出品されています。

日本における磁器製造の歴史は16世紀末秀吉の朝鮮出兵の際、佐賀領主鍋島氏が朝鮮人陶工を連れてきて、磁器原料であるカオリン土が有田地域で発見されたことによりはじまった。それまでは、日本でも磁器は中国からの輸入に頼っていました。当時朝鮮では白磁が中心だったが、日本市場では景徳鎮に代表される染付の需要が高かったため、それを模した染付製品が多く作られたそうだ。

日本でも磁器製造がはじまったものの、本家の中国製品が順調に輸入されていたならば、あくまでの後発品としての地位に甘んじなければならなかっただろうが、1644年、中国が明朝⇒清朝への王朝交代の内乱となり、製品輸入が途絶える。この機会に、有田を中心とした国内窯の製品が一気に日本市場を独占するようになる。中国の内乱は、技術者の海外流出を引き起こし、日本にも中国から技術者の移動に伴う技術移転が起こった。日本の磁器生産技術が一気に押し上げられることになる。

中国の内乱により中国製品の激減が、日本製の磁器の販路の拡大。オランダ東インド会社は、調達ままならぬ中国製品から、独占的に貿易を行える日本の磁器の輸出に力を入れて行く。最初は中国製品の代替品として、中国製品を見本としたコピー商品の注文を受けていく。オランダ東インド会社はヨーロッパで売れる商品を注文し、その注文に応える形で製品が作られ、輸出されていく。ヨーロッパの生活スタイルに合わせた磁器が日本人の手によって生産されたという事が非常に興味深い。

やがて、日本独自の美意識で飾られた色絵や金襴手といった製品が生み出され、ヨーロッパで好評をはくし、生産を再開した中国製品が逆コピーするという現象まで起こしている。

政権が安定し安定供給できるようになった中国窯との価格競争に敗れ1757年公的な有田磁器の輸出は終わりを迎える。

そして、1709年マイセン窯で磁器生産に成功し、18世紀末にはヨーロッパ製磁器が東洋磁器を市場から締め出していくことになる。

美しい品々の裏に、今に通じる生産・流通のさまざまな駆け引きや苦労が透けて見えてとても面白い展覧会だった。

庭園美術館は元皇族の邸宅跡ということで、非常にコンパクトな展示スペースでありながら、落ち着いて作品を楽しむ雰囲気に満ちた空間になっている。

こちらの美術館の入口にあるカフェ・レストランは老舗料亭の出店なのだが、1500円ほどで美味しいランチが食べられる。展覧会を見て、美しい庭園を散策し、おいしいランチを食べるという、贅沢が一か所でできるのはうれしい限り。



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