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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2011年3月6日(日)
会 場 三菱一号館美術館
会 期 2011年3月1日(火)~ 5月8日(日)
入場料 一般1500円、大高生1000円 小中学生500円
図 録 2300円

18世紀は「女性の世紀」と言われます。オーストリア帝国の実質的支配者であったマリア・テレジア、ルイ15世の公的寵妃であったポンパドゥール女侯爵、ロシア女帝エリザヴェータがそれぞれの国の政治・経済に大きな役割を果たします。才気あふれる女性達が主催する「サロン」は、特に文化的な面で男性達をリードし、新しい時代の萌芽を育て、また文芸の成熟を促しました。

18世紀末に起こったフランス革命から、その後全世界を覆い尽くし現在に続く産業革命の波は、一方では女性達を日蔭に追いやっていく動きでもありました。歴史は一直線に動くものではなく、様々な波が重なり合い動いていくものです。今まで光が当てられる事が少なかった女性芸術家達の作品を、見ることができる展覧会と言うことで、開催の予告を見たときからとても楽しみにしていました。三菱1号館美術館の居室に近い展示スペースという場所と相まって、非常に良い雰囲気の展示でした。

マリー・アントワネットの肖像を多く手掛けたヴィジェ・ルブラン夫人の作品を中心に、彼女以前の女性画家の作品、18世紀当時の女性と絵を描くことの関係、彼女と同時代の女性画家作品等のコーナーがつくられ、コンパクトで在りながらこの時代の女性画家達の位置づけを把握できるようになっています。

ヴィジェ・ルブラン夫人の作品の素晴らしさも楽しめましたが、それと同じくらい描かれた対象について興味深かったです。一番インパクトがあったのが、「ミゼノ岬のコリンヌに扮したスタール男爵夫人」。いろいろと逸話の多いスタール男爵夫人ですが、この肖像画を見ていろいろ腑に落ちた感がありました。
フランス革命を舞台にした「ベルサイユのばら」は私の年代の女性に非常に影響を与えた漫画作品です。その中に登場する人物の肖像画がたくさんあって非常に興味深かったです。ポリニャック伯爵夫人にその愛人と言われていたヴォドルイユ伯爵、ルイ15世の娘マダム・ヴィクトワールにルイ16世の弟アルトワ伯爵、妹のマダム・エリザベト等の肖像は漫画に描かれた姿を髣髴とさせてくれました。

18世紀フリークとしては、絵の美しさを楽しむだけでなく、歴史本の中にでてくる人物の姿が描かれているという楽しみも味わえてとても楽しい展覧会でした。ゴールデンウイークまで会期があるので、ぜひもう一度行ってみたいと思います。
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鑑賞日 2011年2月6日(日)
会 場 ザ・ミュージアム
会 期 2011年12月7日(火)~ 2011年2月17日(木)
入場料 一般1400円 大・高校生1000円 小中学生 700円

印象派の画家クロード・モネは、晩年、パリから約80キロほど北西に位置するセーヌ川沿いの小村ジヴェルニーに住みはじめた。当時のジヴェルニーは、300人ほどが暮らす典型的なフランスの農村にすぎなかった。この村でモネは睡蓮、積みわら、ポプラ並木などの連作を生み出す。モネの友人であるボナールのみならず、日本の児島虎次郎をはじめ、19カ国を超す、300人以上もの芸術家がここを訪れ、ここに住み着き、一つの芸術家村の様相を呈するようになる。早くから印象派の絵画を受け入れ共感した
アメリカの画家達が多く、 今回の展覧会では、モネの作品を初め、彼の義理の娘ブランシュの作品、アメリカの印象派を形成するにいたる多くのアメリカ人画家の作品を紹介している。

同じ場所で制作された絵画なので、いったいどの作品が誰の作品なのか、すぐには見わけがつかない。キャプションを見ながら、ああ、この人の作品は前の展示室にあったなあ・・・、なんて感じで見て回った。作品を見ただけで、これは誰それの絵だなとわかるというのは、かなり難しい。素人でもある程度見慣れるとわかるようになるけれど、それはその画家がかなりはっきりとした個性を持っている場合に限ると思う。今回の展示では、描かれている場所はジヴェルニーの風景や村人がほとんどだし、みな印象派の画家なのだから、見わけるのは難しい。なので、今回は、あまり考えず、とにかく、自分にとって目の前の絵が心地よいか心地よくないか?という、極めてお気楽でイージーな観賞をすることにした。

今回の展示作品で一番気に入った作品は、ジョン・レスリー・ブレックの「積みわらの習作」の12連作。積みわらのある風景を定点観測カメラで写し取ったような作品で、とってもポップで印象的なもの。積みわらがまるで焼きおむすびに見えてしまって、妙な親近感を感じてしまった。ぜひ絵はがきが欲しかったのだけれど、売っていなかったのは、残念!

鑑賞日 2011年1月29日(土)
会 場 サントリー美術館  
会 期 2011年1月8日(土)~2011年3月6日(日)
入場料 一般1300円、学生1000円 中学生生以下無料
図 版 2000円

日独交流150周年を記念して、国立マイセン磁器美術館蔵の優品160点余りが出品されている
今を遡ること300年前、ザクセン選帝侯兼ポーランド国王フリードリヒ・アウグスト1世(アウグスト強王)が錬金術師ベットガーらに命じ、それまで謎とされていた硬質磁器の製造法を解明し、ヨーロッパ初の磁器製造所を開設した。マイセン窯はそれから一貫して多くの作品を生み出し続けている。今回の展覧会は、マイセン窯300年の歴史を俯瞰できるとても興味深いものだ。
日本で磁器が製造されるようになったのは、16世紀末豊臣秀吉が朝鮮から陶工を連れ帰り備前の地に窯を開かせたのが発祥と言われている。大航海時代時代を経て、東西貿易が飛躍的に活発化し、17世紀以降ヨーロッパに一大東洋ブームが巻き起こる。中でも磁器は珍重され、各国の王侯貴族はその蒐集に血道を上げた。
17世紀中ごろ、王朝交代による混乱によって中国からの供給が激減したとき、日本が生産供給を行い、日本の磁器生産が飛躍的に発展していく。そして、日本産の磁器がヨーロッパ宮廷に蒐集されていく。
中でもアウグスト強王は熱狂的な磁器蒐集を行った。彼はいろいろと逸話の多い人物だが、彼の命令下ヨーロッパで初めて硬質磁器製造法が開発された事は特に有名だろう。マイセン窯やセーブル窯の洋食器は日本でも愛好者が多いけれど、元をたどれば日本の磁器がそれらに多くの影響を与えていることをなかなか知る機会がない。
今回の展示は、マイセン窯の300年を知ると同時に、日本がヨーロッパの文化に大きな影響を与えた事を知るいい機会とも言える。

今回の展示には単に優れた作品が選ばれたと言うよりも、マイセン窯が300年の間にどのように発展変化して言ったのかを物語る面白いものが多い。めまいがしそうなほど細かく磁器製の小花が貼りつけられたティーポットや磁器製の動物の置物など、とにかく見ていて楽しかった。家族連れでも楽しめる内容だと思う。


鑑賞日 2011年1月9日(日)
会 場 国立西洋美術館  
会 期 2010年10月26日(火)~2011年1月16日(日)
入場料 一般850円、大学生450円 高校生以下無料
図 版 2300円

ドイツルネサンスの代表的画家アルブレヒト・デューラー(1471-1528)の版画、素描作品157点が出品されている。今回出品されている作品のうち105点はオーストラリア、メルボルン国立ヴィクトリア美術館からの出品。これらの作品群はトーマス・D・バーロウ卿が個人的に収集したものだそうだ。他に、国立西洋美術館蔵の49点、ベルリン国立版画素描館から3点の素描が出展されている。
メルボルン国立ヴィクトリア美術館のバーロウ卿コレクションは刷りの質が極めて高い重要なものとして知られているそうだ。デューラーの版画については今までも何度か見てきているが、確かにそれらに比べて作品の刷りの美しさは群を抜いていると思った。版画は大量生産されるものであるけれど、原版から印刷するときの条件や保存状態によって、だいぶ印象が変わってしまうのだろう。精緻で圧倒的な存在感をもった作品群に圧倒されました。
今回国立西洋美術館蔵の代表作「メランコリアⅠ」「書斎の聖ヒエロニムス」「騎士と死と悪魔」が出品されている。これもなかなか質のいい版。圧巻は「マクシミリアン1世の凱旋門」。49枚の紙に刷られた壮大な凱旋門は本当に素晴らしかった。デューラーの版画の代表作がこれだけ一堂に会する機会はめったにないと思われる。会期は残すところあと一週間だが、版画好きの方はぜひ行かれる事をお勧めします。


観賞日 2010年11月13日(土)
場 所 三井記念美術館
会 期 2010年10月9日(土)~11月28日(日)
入場料 一般1200円、大高生700円 中学生以下無料
図 版 1800円

円山応挙(享保18年5月1日(1733年6月12日)- 寛政7年7月17日(1795年8月31日))は、江戸時代中期の絵師。近現代の京都画壇にまでその系統が続く「円山派」の祖であり、一節には「足のない幽霊」を描き始めた画家とも言われている。

三井家が応挙のパトロンをしていたという関係があり、国宝「雪松図屏風」を筆頭に、今回の展示に合計10点が三井記念美術館蔵のものだ。江戸中期に当たる1760年代~1780年代はヨーロッパでも博物学が盛んで、まるで写真のような写実的な彩色銅版画などが盛んに刷られている。今回の展示には応挙が20代の頃に手がけたという「眼鏡絵」なるものが多く出品されている。これはなかなか興味深いものだった。

総点数はそう多くないが、国宝「雪松図屏風」と重文「松に孔雀図襖」は素晴らしく、圧倒された。

私が応挙の名を知ったのは、幽霊画ジャンルからだったので、堂々とした襖絵や屏風絵を見ると不思議な感じがしてしまう。1枚くらい幽霊画が見てみたかったなあ・・・・。
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