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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2011年1月29日(土)
会 場 サントリー美術館  
会 期 2011年1月8日(土)~2011年3月6日(日)
入場料 一般1300円、学生1000円 中学生生以下無料
図 版 2000円

日独交流150周年を記念して、国立マイセン磁器美術館蔵の優品160点余りが出品されている
今を遡ること300年前、ザクセン選帝侯兼ポーランド国王フリードリヒ・アウグスト1世(アウグスト強王)が錬金術師ベットガーらに命じ、それまで謎とされていた硬質磁器の製造法を解明し、ヨーロッパ初の磁器製造所を開設した。マイセン窯はそれから一貫して多くの作品を生み出し続けている。今回の展覧会は、マイセン窯300年の歴史を俯瞰できるとても興味深いものだ。
日本で磁器が製造されるようになったのは、16世紀末豊臣秀吉が朝鮮から陶工を連れ帰り備前の地に窯を開かせたのが発祥と言われている。大航海時代時代を経て、東西貿易が飛躍的に活発化し、17世紀以降ヨーロッパに一大東洋ブームが巻き起こる。中でも磁器は珍重され、各国の王侯貴族はその蒐集に血道を上げた。
17世紀中ごろ、王朝交代による混乱によって中国からの供給が激減したとき、日本が生産供給を行い、日本の磁器生産が飛躍的に発展していく。そして、日本産の磁器がヨーロッパ宮廷に蒐集されていく。
中でもアウグスト強王は熱狂的な磁器蒐集を行った。彼はいろいろと逸話の多い人物だが、彼の命令下ヨーロッパで初めて硬質磁器製造法が開発された事は特に有名だろう。マイセン窯やセーブル窯の洋食器は日本でも愛好者が多いけれど、元をたどれば日本の磁器がそれらに多くの影響を与えていることをなかなか知る機会がない。
今回の展示は、マイセン窯の300年を知ると同時に、日本がヨーロッパの文化に大きな影響を与えた事を知るいい機会とも言える。

今回の展示には単に優れた作品が選ばれたと言うよりも、マイセン窯が300年の間にどのように発展変化して言ったのかを物語る面白いものが多い。めまいがしそうなほど細かく磁器製の小花が貼りつけられたティーポットや磁器製の動物の置物など、とにかく見ていて楽しかった。家族連れでも楽しめる内容だと思う。


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