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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2011年4月30日(土)
会 場 国立西洋美術館  
会 期 2011年3月12日(土)~2011年6月12日(日)
入場料 一般1400円、大学生1100円 高校生600円 
    中学生以下無料
図 版 2300円


GW入りして天気も上々。午前11時の上野駅は家族連れでいっぱいです。そうです、上野動物園に再びパンダがやってきたのです。でも、私の目的は同じ白黒でも、レンブラントの「版画」の方です。

レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)は、言わずと知れた17世紀オランダを代表する画家です。レンブラントの陰影表現は、日本人にとってとても心地よいものなのでしょうか。愛好家がとても多いようです。今回の展覧会は油彩15点、版画110点という構成。版画展は普通そんなに混まないのですが、今回は入場者の幅の広さ・人数にちょっと驚きました。GWという事もあるのだと思うのですが、普段の展覧会ではあまり見かけない層の方がたくさんいらっしゃいました。

今回の企画はとても興味深いものでした。レンブラントが日本の和紙を使用していた事に注目し、さまざまな紙を使用して摺られた同じ作品を比較できるようになっています。また、同じ原版が版を重ねる中で手が加えられ変化していくところも並べられ比較されています。

レンブラントの版画は結構いろんな展覧会で見てきましたが、これだけの量を一度に見ると、今までわからなかった作品の魅力というものが見えてきます。

今回改めて感じたのは、レンブラントの作品は300年以上も前の作品なのに、とてもみずみずしく古びていないということ。そして、和紙という素材の墨との相性の良さ。同じ版から摺られた作品なのに、和紙に刷られた黒のなんと味わい深い事か!ビロードのような黒と表現されるにふさわしい有機的な黒。

闇に濃淡がある事を善光寺の戒壇巡りを知りました。光がないのだから、単調な黒にすぎないはずと思っていました。しかし、違うのです。人の感覚は闇にも様々な表情がある事を捕えられるのです。

レンブラントの作品の魅惑的な光と闇。そこに我々の祖先が作った和紙が力を与えている事を知り非常に感慨深く観賞することができました。

常設展の版画展示室で「奇想の自然-レンブラント以前の北方版画」も同時開催中。こちらもなかなか面白いです。イタリアの感覚とはまた違う北方版画の魅力を一層深く味わえると思います。

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