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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2010年10月23日(土)
会 場 ルーヴルーDNPミュージアムラボ
会 期 2010年10月23日(土)~ 2011年5月15日(日)
入場料 無料 要予約
公式HP 

ルーヴル美術館蔵のセーブル窯の食器9点とマリー・アントワネットの胸像計10点の展示と、マルチメディアによるユニークな観賞体験ができる。

ネットで予約をする必要があるのだが、時間内に予約ができる人数が限られているため、ゆっくりと観賞できる。解説もなかなか凝っていておもしろい。セーブル焼きの製造工程やフランス式食卓儀礼の解説は興味深かったし、パソコンの画面上拡大映像を見たり解説を読んだりもできる。セーブル焼きのモチーフを組み合わせて好きなお皿を作ってみようなんてのもあった。子供も面白がりそうな仕掛けがある。

シアターでは、中国や日本の磁器がどれほど熱狂的にヨーロッパの王侯貴族に愛されていたかを知ることができる映像作品が上映されている。

五反田駅または目黒駅から少し歩かなければならないが、無料で1時間半くらい楽しむ事ができる。食器好きの人にはたまらない展示ではないだろうか。

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鑑賞日 2010年10月10日(日)
会 場 国立新美術館
会 期 2010年10月1日(金)~ 12月20日(月)
入場料 一般1500円、大学生1200円 高校生800円 中学生以下無料
図 版 2200円

今年はゴッホ没後120年に当たるそうだ。三連休の中日、入場制限はなかったものの、会場はかなり込み合っていた。私は正直言えば、ゴッホはそんなに好きな画家でもない。ただ、今年は印象派以降の画家の大規模な回顧展が催されていて、初期から晩年の作品を通して見る事によって、それまでその画家に持っていた印象が変わるという経験をしているので、ゴッホ展も見ておかないといけないと思った次第。

正直に言って、ちょっと展示構成が消化不良気味だったような気がする。ゴッホの作品と同時代の画家の作品が並行して展示されているのだが、その意図が明確に伝わってこない。
混んでいるからだけではないと思うのだが、焦点がすごくボケている気がした。

今回の展示を見て、ゴッホはゴッホ以外の何者でもなく、唯一無二の個性だとはおもったものの、やっぱり私の好みではない事を確認することになった。生前たった1枚しか絵が売れなかったゴッホだったが、今では億単位の値がつくのだから不思議なものだ。美の基準とは誠に不思議なものである。

鑑賞日 2010年10月10日(日)
会 場 サントリー美術館
会 期 2010年8月11日(水)~ 10月11日(月)
入場料 一般1300円、大学・高校生1000円 中学生以下無料
図 版 2000円

1640年代後半に始まった鍋島藩窯草創期から幕末までの、各期を代表する作品と他窯の参考作品で構成されている。

常々思うのだが、日本人は日本人が作りだしてきた文化・芸術・技術の素晴らしさを正当に評価できていないのではないだろうか。

とにかく、大胆な構図、繊細で美しい絵つけに唸るばかりだ。200年以上前のデザインとは思えない斬新さ!そして、表だけでなく裏、高台に至るまで入念に仕上げられた完成度の高さにため息が出る。これらが飾り皿としてではなく、実用とされてきたというのだから、なんと贅沢な事だろう。

海外のブランド物も確かにいいかもしれないが、日本にだって世界で通用する素晴らしい美と技術があるのだ!!

「和」が単なる見直しにとどまらず、日本の美しさを日本人自身が自覚して、新たな創造に生かして行けるなら、日本の未来もそんなにくらいばかりじゃないと思う。その為には、世界に目を向け、その中での「和」を位置付けていく必要があるようにも思える。

本当に日本人ってものすごくいいものを作っているのに、謙遜しすぎというか、口下手過ぎなんですよね。

鑑賞日 2010年10月3日(日)
会 場 損保ジャパン東郷青児美術館
会 期 2010年9月11日(火)~ 11月14日(日)
入場料 一般1000円、大学高校生600円 中学生以下無料
図 版 2500円

イタリア・フィレンツエにあるウフィツィ美術館が画家の自画像コレクションを持っている事は聞いた事があった。バザーリの回廊と呼ばれるポンテ・ヴェッキオ橋のスペースの見学には予約が必要で、調べてみたら日本語ガイドツアーが140ユーロだった。(1ユーロ100円としても14000円か・・・・。)

ウフィツィ美術館のコレクションは1664年にレオポルド・ディ・メディチが始めたもので、以来今日に至るまで芸術家達の自画像を蒐集し続けている。今では1700点以上にものぼるそうだ。

自画像コレクションを見る面白さは、一つには芸術家の容貌を知ることができると言うこと、そして、芸術家自身が自分をどのように表現しているかということだろうか。

今回78点のコレクションが、そしてこの展覧会を記念してウフィツィ美術館に寄贈されることになった日本人芸術家3人の自画像が展示されている。目玉はレンブラント晩年の自画像、今回展覧会のポスターになっているヴィジェ・ル・ブランの自画像だろうか。日本ではあまり知られていない芸術家のものも多いが、カラッチやベルニーニ、レイノルズやアングル、モーリス・ドニやシャガールなどは誰でも知っている芸術家だろう。改めて、こんな顔していたんだなあと見入ってしまった。猫と一緒に描かれたレオナール・藤田の自画像もあった。

男の顔ばかり並んでも面白くないだろうということなのか、結構女性芸術家のものもあった。私達があまり知らないだけで、各時代には結構名が知れた女流画家がいたのだろう。ティントレットの娘ティントレッタの自画像があって、そうか、娘も画家だったんだと新鮮な驚きを感じてしまった。

それにしても、ナルシスティックなものから、いったいこれのどこが自画像?と思えるようなものまで、いろいろあって面白かった。描いたのは老齢になってからなのに、それでも若くはつらつとした自画像を描いている人もいて、ちょっと笑ってしまった。蒐集者からの依頼で描かれたもの、家族から寄贈を受けたもの、市場から購入されたもの、さまざまな経路で集められたものだが、その由来を書かれたキャプションを読むのも面白かった!

この美術館は企画展も1000円とリーズナブル。もれなく50億円以上もしたゴッホの「ひまわり」とセザンヌとゴーギャンの作品を見ることができます。絵一枚に50億円って、バブル期はとんでもない値段だったんですね・・・・。


鑑賞日 2010年9月30日(木)
会 場 国立西洋美術館  版画素描展示室
会 期 2010年9月18日(土)~ 11月28日(日)
入場料 一般420円、大学生130円 高校生以下無料

19世紀フランスに置いて版画の表現を追求した、メリヨン、ブレダン、ブラックモン、ルドンの作家の作品40点を展示しています。メリヨン、ブレダン、ブラックモンを知ったのは、今年の春、埼玉県立近代美術館で開催された「版画に見る印象派」展ででした。とても印象に残る作品だったので気になっていました。上野に行く用事があったので、約束の時間までと思い入ったら、思いのほか見入ってしまって約束の時間に遅刻することになってしまいました。大規模な企画展がなく、雨の平日とあって、常設展示会場はほとんど人もいなくて、貸し切りのような状態。大好きな「ある男の肖像」もかぶりつきで心行くまでみる事ができました。
シャルル・メリヨンの「パリの銅板画」シリーズ11点他3点計14点が出ていました。大改造前のパリの風景を克明に記録したものとして興味深く、同時に、メリヨンの偏執的ともいえる描写に強くひきつけられます。西洋美術館が所有している「パリ銅版画」シリーズは13枚。確かに、ちょっとテーマもえぐいから出さなかったのかも知れませんが・・・・。(国立西洋美術館の検索をしてみればお分かりになると思います・・・。)
ルドンの師ロドルフ・ブレダンの作品もすごく細かくて幻想的。植物の描写はリアルなのに、その組み合わせが現実離れしていてなんとく不思議な世界なのです。「善きサマリア人」はかなり大きな作品でたくさんの植物と動物が描き込まれ、隅から隅まで見ていたらかなり時間がかかりそうです。画面中央に画題であるはずの人物二人が描かれているのだけれど、どう考えても、この作品の主役は繁茂する植物のような気がしてなりません。
フェリックス・ブラックモンは19世紀フランスの代表的な版画家で、印象派の画家たちと親交があって、印象派の画家たちは彼から版画の技法を習っています。埼玉県美の展覧会でみた鳥のエッチングがものすごく印象的で、今回もかもめを描いた作品がありましたが、素晴らしかったです。ギュスターブ・モロー原画の作品もとても美しかったです。白黒の世界なのですが、とてもつややかな印象です。
オディロン・ルドンは以前から好きな作家で、ルドンのブルーと黒は特に好きです。「聖アントワーヌの誘惑」は昔から幻想的なテーマとしてたくさんの作家に描かれてきています。今回出ている作品の中で一番気に入ったのは「それから魚の体に人間の頭を持った奇妙なものが現れる」です。若い男性の横顔に魚というかミジンコの体のようなものがついています。この男の横顔に魅かれてしまいました。全体は何とも奇妙なのですが、この横顔にこの体・・・で、納得してしまうのはなぜでしょうね?

出展作品は西洋美術館のHPで見ることができます。興味がおありでしたらみて見てください。

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