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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2010年9月30日(木)
会 場 国立西洋美術館  版画素描展示室
会 期 2010年9月18日(土)~ 11月28日(日)
入場料 一般420円、大学生130円 高校生以下無料

19世紀フランスに置いて版画の表現を追求した、メリヨン、ブレダン、ブラックモン、ルドンの作家の作品40点を展示しています。メリヨン、ブレダン、ブラックモンを知ったのは、今年の春、埼玉県立近代美術館で開催された「版画に見る印象派」展ででした。とても印象に残る作品だったので気になっていました。上野に行く用事があったので、約束の時間までと思い入ったら、思いのほか見入ってしまって約束の時間に遅刻することになってしまいました。大規模な企画展がなく、雨の平日とあって、常設展示会場はほとんど人もいなくて、貸し切りのような状態。大好きな「ある男の肖像」もかぶりつきで心行くまでみる事ができました。
シャルル・メリヨンの「パリの銅板画」シリーズ11点他3点計14点が出ていました。大改造前のパリの風景を克明に記録したものとして興味深く、同時に、メリヨンの偏執的ともいえる描写に強くひきつけられます。西洋美術館が所有している「パリ銅版画」シリーズは13枚。確かに、ちょっとテーマもえぐいから出さなかったのかも知れませんが・・・・。(国立西洋美術館の検索をしてみればお分かりになると思います・・・。)
ルドンの師ロドルフ・ブレダンの作品もすごく細かくて幻想的。植物の描写はリアルなのに、その組み合わせが現実離れしていてなんとく不思議な世界なのです。「善きサマリア人」はかなり大きな作品でたくさんの植物と動物が描き込まれ、隅から隅まで見ていたらかなり時間がかかりそうです。画面中央に画題であるはずの人物二人が描かれているのだけれど、どう考えても、この作品の主役は繁茂する植物のような気がしてなりません。
フェリックス・ブラックモンは19世紀フランスの代表的な版画家で、印象派の画家たちと親交があって、印象派の画家たちは彼から版画の技法を習っています。埼玉県美の展覧会でみた鳥のエッチングがものすごく印象的で、今回もかもめを描いた作品がありましたが、素晴らしかったです。ギュスターブ・モロー原画の作品もとても美しかったです。白黒の世界なのですが、とてもつややかな印象です。
オディロン・ルドンは以前から好きな作家で、ルドンのブルーと黒は特に好きです。「聖アントワーヌの誘惑」は昔から幻想的なテーマとしてたくさんの作家に描かれてきています。今回出ている作品の中で一番気に入ったのは「それから魚の体に人間の頭を持った奇妙なものが現れる」です。若い男性の横顔に魚というかミジンコの体のようなものがついています。この男の横顔に魅かれてしまいました。全体は何とも奇妙なのですが、この横顔にこの体・・・で、納得してしまうのはなぜでしょうね?

出展作品は西洋美術館のHPで見ることができます。興味がおありでしたらみて見てください。

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