DNAの展覧会鑑賞記録帳
鑑賞日 2007年6月3日(日)
会 期 2007年4月7日(土)~7月2日(月)
会 場 新国立美術館
入場料 1500円 (前売1200円)
図 版 2300円
公式HP http://monet2007.jp
モネの名品を一堂に集めた大回顧展。新国立美術館にも興味深深♪
行って参りました!新国立美術館は初めてです。原宿駅で地下鉄に乗り換えて乃木坂駅下車。駅から直接美術館の前までいけます。ど~んと立派な建物です。真新しい建物はやはり気持ちいいですが、公共の建物は、ずっとメンテナンスをして使用することになるので、新しい試みを取り入れている場合、そのメンテナンスのコストはどうなのだろう?と変なところに興味がいってしまいます。都庁舎はいま大変なことになっているらしいです。メンテナンスにコストがかかりすぎて、きちんとメンテナンスができていないらしいです・・・。総合的に長い目で考えられないといけないような気がします。まあ、美術展とは関係ありませんが。
さて、「大回顧展」と銘打つだけあって、モネ・モネ・モネ・・・・モネの作品ばかりこれでもか!というほど見られます。モネがお好きな方なら、絶対見に行くべきです。ただし、できるだけ平日のすいている時間を見計らいましょう。
今日は日曜日、作品より人の頭を見ていた時間が長かった気がします。ビックリしたのは、入場者の幅広さです。乳・幼児から車椅子のご老人までありとあらゆる年齢の人、そして、いかにものブランド服をお召しの方から、本当にふらっと普段着できました、といった方まで、本当にごちゃ混ぜでした。汽車の絵の前で、「汽車ポッポだよ~」と3歳ぐらいの子供を抱き上げて見せているお父さんがいたり、展示室内の休憩用の椅子に座って、赤ん坊にカタカタなる小さなおもちゃを見せてあやしているお爺さんがいたり・・・。しみじみ思いました。印象派の展覧会だ~って。
モネは印象派の作家の中でもダントツに人気も実力もある人です。長寿だったし、精力的に制作した人だから作品数も多い。何より、日本にも沢山作品がある。カレンダーやTVコマーシャルなどでも使われる事も多いので、なんらかしらの形でその作品を目にしていることがおおいと思われます。その為なんでしょうけれど、「これ見たことある~」なんて声があちこちで聞こえました。
モネの絵は考える必要がありません。感じればいいのです。モネの絵は空気と光と水でできています。日本人が心地よく見られる絵です。そもそも、19世紀ヨーロッパでジャポニズムが大流行。日本の浮世絵などがもてはやされ、浮世絵独特の空間認識や、平面構成などが、この時代の画家達に多かれ少なかれ影響を与えています。モネもルノワールも打ちかけ着せた奥さんの絵を描いているんですよ。金髪女性が打掛け羽織って扇子もって見返り美人のコスプレしてるんです。面白いですよ。印象派はジャポニズムの影響を大きく受けています。ヨーロッパに渡った日本の絵画は、浮世絵や掛け軸、屏風などが中心だったのだと思いますが、これらは純粋に目で楽しむものですよね。近代市民社会が成立して、絵画が普通の人(それでも、やはりブルジョワジーということですが)が楽しむものになって、宗教画や歴史画のように、なんらかしらのメッセージを伝える手段ではなくなり、お部屋のインテリアとして見て気持ちいいということが、とても重要になったのではないかと思います。モネの絵は気持ちいいです。家族連れで見に行きたくなる絵です。
今回の展示で一番気に入ったのはテムズ川のチャリング・クロス橋の連作です。藤色の朝もやのなか夜が明けていく光景を、時間の経過によって変わる表情を切り取り写した様な作品。モネが始めた連作という制作スタイルは、季節の移ろいや刻々と変わる光の表情に、もともと強い感受性がある日本人にはたまらない魅力があると思います。積み藁やポプラ並木の連作も良かったですよ。
モネは80歳を過ぎても精力的に作品を描き続けています。今回の展示の最終室は晩年の作品が集まっています。題材は睡蓮と庭なのですが、この部屋だけ、妙に空いているのです。それはなぜか?皆、近くで絵を見ているからなんです。モネの晩年の絵は、できるだけ離れて見なければいけません。近くで見るとまるで色を塗りたくっただけの抽象画のようです。だから、近くで絵を見ている人はつまらなくて、あんまりじっくり見ないでいなくなっちゃうんです。この部屋の作品は皆、どんどん後ろに下がっていくと、ある地点で、鮮やかに映像が浮かび上がってくるのです。もし、これから行かれるのであれば、最終室で試して見てください。例えは、「黄色いアイリス」この絵の前に立ったら、人にぶつからないように後ろに後ろに下がっていってみてください。きっと、ビックリしますよ。他の絵もお試しあれ!「ばらの小径」が劇的でした。睡蓮の絵もできるだけ離れて見ましょう。本当に揺れる水面に睡蓮が浮いているように見えます。美術展で本物を見る楽しさは、こんなところにもあります。やっぱり本物を堪能するためには、労力をかけなければいけません。
じつは、買ってあった前売りチケットを持っていくのを忘れ、正規の値段でチケットを買いなおすハメに。これはもう一度見に行けという天啓かも知れません。会期は7月までありますから、また行きたいと思います。
なんだかんだいっても、印象派は気持ちいい~♪
会 期 2007年4月7日(土)~7月2日(月)
会 場 新国立美術館
入場料 1500円 (前売1200円)
図 版 2300円
公式HP http://monet2007.jp
モネの名品を一堂に集めた大回顧展。新国立美術館にも興味深深♪
行って参りました!新国立美術館は初めてです。原宿駅で地下鉄に乗り換えて乃木坂駅下車。駅から直接美術館の前までいけます。ど~んと立派な建物です。真新しい建物はやはり気持ちいいですが、公共の建物は、ずっとメンテナンスをして使用することになるので、新しい試みを取り入れている場合、そのメンテナンスのコストはどうなのだろう?と変なところに興味がいってしまいます。都庁舎はいま大変なことになっているらしいです。メンテナンスにコストがかかりすぎて、きちんとメンテナンスができていないらしいです・・・。総合的に長い目で考えられないといけないような気がします。まあ、美術展とは関係ありませんが。
さて、「大回顧展」と銘打つだけあって、モネ・モネ・モネ・・・・モネの作品ばかりこれでもか!というほど見られます。モネがお好きな方なら、絶対見に行くべきです。ただし、できるだけ平日のすいている時間を見計らいましょう。
今日は日曜日、作品より人の頭を見ていた時間が長かった気がします。ビックリしたのは、入場者の幅広さです。乳・幼児から車椅子のご老人までありとあらゆる年齢の人、そして、いかにものブランド服をお召しの方から、本当にふらっと普段着できました、といった方まで、本当にごちゃ混ぜでした。汽車の絵の前で、「汽車ポッポだよ~」と3歳ぐらいの子供を抱き上げて見せているお父さんがいたり、展示室内の休憩用の椅子に座って、赤ん坊にカタカタなる小さなおもちゃを見せてあやしているお爺さんがいたり・・・。しみじみ思いました。印象派の展覧会だ~って。
モネは印象派の作家の中でもダントツに人気も実力もある人です。長寿だったし、精力的に制作した人だから作品数も多い。何より、日本にも沢山作品がある。カレンダーやTVコマーシャルなどでも使われる事も多いので、なんらかしらの形でその作品を目にしていることがおおいと思われます。その為なんでしょうけれど、「これ見たことある~」なんて声があちこちで聞こえました。
モネの絵は考える必要がありません。感じればいいのです。モネの絵は空気と光と水でできています。日本人が心地よく見られる絵です。そもそも、19世紀ヨーロッパでジャポニズムが大流行。日本の浮世絵などがもてはやされ、浮世絵独特の空間認識や、平面構成などが、この時代の画家達に多かれ少なかれ影響を与えています。モネもルノワールも打ちかけ着せた奥さんの絵を描いているんですよ。金髪女性が打掛け羽織って扇子もって見返り美人のコスプレしてるんです。面白いですよ。印象派はジャポニズムの影響を大きく受けています。ヨーロッパに渡った日本の絵画は、浮世絵や掛け軸、屏風などが中心だったのだと思いますが、これらは純粋に目で楽しむものですよね。近代市民社会が成立して、絵画が普通の人(それでも、やはりブルジョワジーということですが)が楽しむものになって、宗教画や歴史画のように、なんらかしらのメッセージを伝える手段ではなくなり、お部屋のインテリアとして見て気持ちいいということが、とても重要になったのではないかと思います。モネの絵は気持ちいいです。家族連れで見に行きたくなる絵です。
今回の展示で一番気に入ったのはテムズ川のチャリング・クロス橋の連作です。藤色の朝もやのなか夜が明けていく光景を、時間の経過によって変わる表情を切り取り写した様な作品。モネが始めた連作という制作スタイルは、季節の移ろいや刻々と変わる光の表情に、もともと強い感受性がある日本人にはたまらない魅力があると思います。積み藁やポプラ並木の連作も良かったですよ。
モネは80歳を過ぎても精力的に作品を描き続けています。今回の展示の最終室は晩年の作品が集まっています。題材は睡蓮と庭なのですが、この部屋だけ、妙に空いているのです。それはなぜか?皆、近くで絵を見ているからなんです。モネの晩年の絵は、できるだけ離れて見なければいけません。近くで見るとまるで色を塗りたくっただけの抽象画のようです。だから、近くで絵を見ている人はつまらなくて、あんまりじっくり見ないでいなくなっちゃうんです。この部屋の作品は皆、どんどん後ろに下がっていくと、ある地点で、鮮やかに映像が浮かび上がってくるのです。もし、これから行かれるのであれば、最終室で試して見てください。例えは、「黄色いアイリス」この絵の前に立ったら、人にぶつからないように後ろに後ろに下がっていってみてください。きっと、ビックリしますよ。他の絵もお試しあれ!「ばらの小径」が劇的でした。睡蓮の絵もできるだけ離れて見ましょう。本当に揺れる水面に睡蓮が浮いているように見えます。美術展で本物を見る楽しさは、こんなところにもあります。やっぱり本物を堪能するためには、労力をかけなければいけません。
じつは、買ってあった前売りチケットを持っていくのを忘れ、正規の値段でチケットを買いなおすハメに。これはもう一度見に行けという天啓かも知れません。会期は7月までありますから、また行きたいと思います。
なんだかんだいっても、印象派は気持ちいい~♪
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