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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2007年8月26日(日)
会 場 新国立美術館
会 期 2007年7月25日(水)~9月3日(月)
入場料 1300円 
図 版 2500円 

私の美術展デビューは1971年池袋西武百貨店で開催された「ルノワール展」だった。その後、毎年家族で「日展」を見に行くようになった。家族で泊りがけの旅行に行った事は、ほんの数回ほどしかなかったが、日展には何度も出かけていたように記憶している。日本画・洋画・彫刻・工芸・書と様々なジャンルのものがいっぺんに見られて、とても楽しかった記憶がある。その当時はまだ幼くて、単純に好き嫌いだけで見ていたように思う。両親とも特段美術について素養があったわけでなく、ひたすら情操教育の一環というか、自分達が子供の頃に接することができなかった「文化的なるもの」への憧れを満たし、子供にはそういった素養を、少しでも持ってもらいたいとの願いからの行動だったのだろうと思う。そのせいかどうかはわからないが、私は絵を見るのが非常に好きだ。幸い、娘も絵を描くことが好きで、最近は、一緒に展覧会を見に行ってくれる。
今日も娘と二人で、見に行くことになった。

1907年に政府主催の展覧会として文展が発足、それから、帝展、新文展、日展と組織や名前が変わったが、日本の総合美術展として存在し続け、日本の近代美術の発展に寄与し続けている展覧会の、この100年の流れを見渡せるすばらしい展覧会だった。見に行くまで、日本画にまだあまり親しんでいない娘は、乗り気ではなかったのだが、いざ展示された作品を前にすると、じっと食い入るように見入っていた。どの作品でも、実際に本物に接すると、その力に圧倒されるものだが、日本画の繊細な筆致や色使いは、特に本物でなければ味わえないものである。多くの優れた日本画作品に触れたことで、娘の日本画に対する評価は一気に高まったようだ。
今回出展されている作品は、日本画壇を代表する作家の、特に名品が多く、これほどのものを一時に見ることができ、まさに眼福のひと言につきた。特に感銘を受けたのは、堂本印象の「訶梨帝母(かりていも)」。暖かく柔らかな色と緻密な筆致、慈愛に満ちた訶梨帝母の表情と、まわりに戯れる幼児の無邪気な様子がたまらなく愛らしく、本当に心和むものだった。
そのほか、洋画では黒田清輝の「夏草」、彫刻では北村西望の「アダム」、工芸では松田権六の「鷺蒔絵棚」、書では川村驥山の「酔古堂剣掃語」が特に印象的だった。

東京での展示終了後、仙台・広島・富山の各地を巡回する。それぞれの開催地のみ出品される作品もあるが、図録には全作品が収録されている。
日本近代美術の流れを体感されたい方には、お勧めの展覧会。

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