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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2007年9月20日(木)
会 場 東京都美術館
会 期 2007年8月1日(水)~9月24日(月)
入場料 1400円 
図 版 2300円 

夏休みとして連休を取らず、単発で平日に休みをとり、美術鑑賞にいそしんでいる。昔から、「至宝展」と名の付くものが好きで、○○の至宝展なんてのを見ると、つい行きたくなってしまう。この手の展覧会は、大体がキンキラしているものである。宝石や金銀細工や金襴緞子の衣装。絵や彫刻を見るのも楽しいが、工芸品も又、別の楽しさがある。なんといっても工芸品は生活の匂いがする。化粧道具・アクセサリー・食器・武具・衣装・ミニチュアール(細密画)みんな、生活のなかで使われたものだ。豪華な王宮の中の生活はどんなものだったのだろうと、想像を巡らすのはとても楽しい。
 今回とても興味を引かれたのは、食卓とミニチュアール。折りたたみ式の足に大き目の丸い盆を乗せた食卓はまるで日本のちゃぶ台だった。床に座る生活は同じ発想を生むのだろうか?トプカプ宮殿に、いいミニチュアールがある事は知っていた。実際にこの目で見て、唸ってしまった。正に細密画!色鮮やかな顔料と金で描かれた精緻な表現に唸ってしまう。西洋的な立体感は無いが、的確な線描と繊細な彩色は、非常に美しく生き生きしている。線描の美しさに目がいってしまうのは、やっぱり私が日本人だからだろうか?
 今回の展示はオスマントルコのスルタンの権力とハレム(後宮)の女性たちに焦点を当てて紹介されている。後宮という制度は、キリスト教圏にはない。キリスト教は厳密な一夫一婦制だからである。イスラムの社会機構とヨーロッパの社会機構は異なっていても当然なのだが、従来の世界史の視点はヨーロッパからのものこそ主流とされているように思えてならない。歴史的出来事も、どの視点から見るかによって、その捉え方は大きく違うはずだ。とかく、西洋人的視点に偏りがちな日本人の世界史観だが、そろそろ、もっと多くの視点から歴史を見られるようになってもいいのではないだろうか。
 豪奢な品々に添えられた解説で、なるほどと思ったものがあった。スルタンは豪華な品々で自分の権力の強大さをアピールしたが、それで戦争が避けられるなら、よほどお安いものであると。実際に戦争をすれば、人の命が失われ、たくさんのものが破壊される。膨大な金額の戦費も必要となる。実際の戦争をするよりも、洗練された文化を持って、他国を圧倒する。この考え方が、とても新鮮に思えた。現代はあまりに武力や経済力が外交の前面に出すぎているようにおもう。人間は、もっと、人間らしくお互いを認めあえるのではないだろうかと考えた。
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