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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2012年6月23日(土)
会 場 国立新美術館
会 期 2012年4月25日(水)~ 2012年7月16日(月)
入場料 一般1500円 大学生 1200円 高校生800円 

ロシアはヨーロッパか?この質問に簡単に答えられる人はいないのではないだろうか。
ロシアの大地はあまりにも広く、その歴史も複雑だ。ロシア領土はアジア大陸であり、私達日本人と同じ黄色人種が住んでいる。

それでも、私達のイメージでは、ロシアはヨーロッパに近い文化を持っているように思われる。それは、なぜか?

ロシアの西欧化が一気に進んだのはピヨートル大帝の時代。2メートル13センチも身長があったというこの皇帝は、自らがヨーロッパに派遣した250人の使節団に身分を隠して参加し、様々な技術を持ち帰り、軍事・科学技術の吸収に努めたという。

ピョートル大帝の娘、エリザヴェータ女帝はあまり内政には興味がなかったが、文化事業には積極的で、西欧化を進めた。そして、エルミタージュを作ったのが、エカテリーナ2世。
もともとはドイツの諸侯の娘さんだったんです。それが女帝になっちゃうっていうところが、ロシアなんでしょう。

エカテリーナ2世は、とにかく、ヨーロッパから、美術品を買って買って買いまくって、一大コレクションの基礎を作ったわけです。革命が起きる国のやる事って、えげつないほど大がかりなんですよね・・・。

でも、そのおかげで、16世紀から20世紀の西欧絵画の通史を見せてもらえてしまうんですね。今回、日本人好みの超有名作品はないものの、なかなか魅力的で面白い作品があったと思います。大きな作品が多かったので、混んでいた割には見やすかったです。気にいったのはスケドーニのイケメン天使ちゃんです。

夏休みに入る前に終わってしまいますが、7月半ばの連休にでも行かれてみてはいかがでしょうか。
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鑑賞日 2012年5月20日(日)
会 場 ザ・ミュージアム
会 期 2012年3月31日(土)~ 2012年6月10日(日)
入場料 一般1500円 大・高校生1000円 小中学生700円

10歳の頃から熱烈なダ・ヴィンチファンなので、絶対はずす訳にはいかない!!と頑張って開場30分前から並びました。入場と同時に「ほつれ髪の女」の前へ。

思った以上に小さな作品ですが、圧倒的な存在感に、目が吸い寄せられてしまいます。
伏せられた目、柔らかな微笑み、無造作に乱れた髪。褐色とハイライトだけの絵なのに、風を感じます。すぐそこに自然な空気に包まれた存在として人物がいると感じるのです。この1枚を見るだけでも、この展覧会に行く価値はあります。

今回の展覧会の面白さは、レオナルドの弟子や追従者の作品が見られる事。様々な画家が描いたモナ・リザの模写は非常に面白かったです。まるでパロディみたいな印象のものもありましたけれど。

企画はとても面白かったけれど、どうも会場の作り方はいまひとつな気がします。狭いスペースしかないので仕方ないのでしょうけれど、作品を掛ける壁が赤というのはいかがなものか。赤い壁を見て白い作品を見ると、緑の補色がどうしても画面に浮かんでしまう・・・。

イベントなら許されると思うけれど、学術的にも意欲的な企画なだけに、もう少し色彩配置に気をつけて欲しいと感じてしまいました。


鑑賞日 2012年5月12日(土)
会 場 練馬区立美術館
会 期 2012年4月8日(日)~ 2012年6月3日(日)
入場料 一般500円 大・高校生 300円

フランス文学者の鹿島茂氏の所蔵しているコレクションを中心としたジョルジュ・バルビエとジャン=エミール・バルブールの作品展です。練馬区立美術館は初めて。西武池袋線中村橋から徒歩3分という立地の良さの割に、ほとんど入場者が無く、ゆっくり観賞できました。

バルビエのエレガントで繊細でエロティックな作品は本当に魅力的。描かれる女性達の美しさにうっとりと見入ってしまいました。すでに100年近く経ていても、決して古く感じないです。色使いも描線も本当に洗練されていて憧れてしまうような、女性美です。

ラブルールはバルビエとは対称的に描線で描かれた画面は、シャープでありながら、決して冷たいものではなく、どこかしら温もりを感じるものでした。特に、「あなご」と題された1枚はすごく気に入りました。ちゃんとあなごの顔したアナゴだったんですもの。

カタログを買おうかと思ったのですが、3300円とちょっとお高め。
変わりに気に入った絵の絵ハガキを大量購入。額に入れて飾ってみたいと思います。
鑑賞日 2012年4月14日(土)
会 場 三菱一号館美術館
会 期 2012年4月6日(金)~ 2012年5月27日(日)
入場料 一般1400円 大学生1000円 高校生500円

子供の頃から染色に興味があったので、様々な小紋の柄などを集めた本などに目がなかった。動植物、流れる水、身近な道具類などをデザイン化した柄は、見ていて楽しく、無限に繰り返されるその様が、本当に大好き。
今回、三菱一号館美術館で型紙展が開催されると聞いて、いそいそと出かけていった。伊勢型紙については、いろいろな本で読んだ事はあったが、実際に現物を見るのは初めて。一枚一枚人の手によって切りだされた文様の何と繊細で美しいことか!
日本を訪れた人々や開国後世界各地で開かれた万国博覧会に出品された日本の工芸品が日本以外の人々に驚きと憧れをもって受け入れられたのは、あまりに当然と思う。大胆で繊細。長い時間を経てもなお、新しさを失わない洗練。豊かな自然から写し取った美しさを、磨き抜いた技術で紙に刻み込み、布に染める。ご先祖様たちの美的感覚と技術に、本当にうっとりするばかり。

アールヌーボーやアールデコの意匠に日本と通じるものがあると思ってはいたが、何のことはない。逆に彼らが、日本のデザインの粋を必死に学び、自らが持つ文化と融合して行ったものだったのか!

今回の展示は、日本の型紙が諸外国でどのように受け入れられ、それが展開して行ったのかをみる事ができる。最近の展覧会の中でも、非常に意欲的なものだと思った。日本はとても小さな島国だけれど、日本人が思っている以上にたくさんの影響を世界に与えてきたのかもしれない。国粋主義者ではないけれど、やはり日本人が産みだしてきた美しいものに接すると、自然と自分が日本人として生まれた事を誇りに思えるし、この美しいものを守り伝えて行かなければならないと思います。






鑑賞日 2012年4月1日(日)
会 場 東京国立博物館 平成館
会 期 2012年3月20日(火)~ 2012年6月10日(日)
入場料 一般1500円 大学生1200円 高校生900円

ボストン美術館が収蔵する日本美術の名品約90点が里帰りしてきました。同じ上野公園内にある国立西洋美術館には、松方コレクションを基礎とした、西洋美術の歴史を俯瞰できる収蔵品がありますが、考えてみれば、日本に居ながらにして、本物の西洋美術の優れた作品に触れる事ができるのは、すごい事だと思うのです。同じように、ボストン美術館には、日本美術の歴史を網羅した素晴らしいコレクションがある。アメリカの人々が、ボストンで、日本美術の歴史をたどり、優れた作品に触れる事ができるというのは、とても素晴らしいことではないかと思います。

明治維新後、廃仏希釈運動や権力構造の変化で、それまで美術品を守ってきた寺社仏閣や武士階級が衰退し
、維持管理が出来なくなっていたという背景もあったでしょう。19世紀後半のジャポニズムの流行も後押ししたかもしれません。日本にあれば確実に重要文化財、国宝に指定されるような名品の数々が、海を渡って行きました。日本が産みだした名品が、日本にないという現実に、寂しさを感じる一方、作品が海外に渡ったからこそ、日本文化の独自性と素晴らしさを海外に広く知ってもらう事ができたのではないかとも思います。

今回里帰りした作品はどれも素晴らしいものばかり。特に、仏画は感動的です。線ののびやかさ、彩色や截金の緻密さには息をのむばかりです。目玉の二大絵巻もその生き生きとした描写に改めて驚かされます。西洋画とは別のリアリティと迫力に思わず目はくぎ付けになってしまいました。刀剣の一切無駄のないフォルム、衣装の斬新な意匠。全てが私達の祖先が産みだした素晴らしい美です。そして、その美意識は確かに現在の私達にも受け継がれているはずの物。

日本人は、あまりに身近にありすぎて、日本の美に気付く事もないかもしれません。四季折々の自然の美しさは格別であり、その中から日本人が育てあげた意匠の素晴らしさにもっと目を向け、評価していくべきです。里帰りしてきた作品の素晴らしさを堪能する一方、日本の美を守り発展させていくのは、今生きる私達なのだと強く思いました。







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