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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2011年9月17日(土)
会 場 府中市美術館
会 期 2011年9月17日(土)~ 11月23日(水)
入場料 一般900円、大・高校生450円 小・中学生200円


今日は真夏並みに気温は上がっていたましたが、風が強かったので、府中駅から歩くのはさほど苦でもありませんでした。住宅街を通っていったのですが、こんなところになぜ?と思うような畑があって、茄子やかぼちゃ、胡麻やアスパラガス、リンゴなどが植えてあり、ちょっと懐かしい景色をみたような気分になりました。

今日は初日のはずですが、三連休の初日だからか、はたまた気温が高いせいなのか、会場はさほど混んでもおらず、ゆったりと見る事ができました。

出展数は80点とそんなに多くはありません。国内の美術館の所蔵品で構成されています。19世紀末の作品は、動植物をモチーフにした物が多くて、見ていてとても馴染み深い印象があります。ガラスの作品も、クリスタルガラスのような硬質で無機質なものではなく、まるで軟玉のような不透明で有機的な色合いや質感です。光を当てると影絵のように色ガラスの重なりが浮かぶ作品など、とてもファンタジックで癒されます。

絵画作品では、ミュシャの『百合』が出展されていました。この絵は時に好きな作品なので、うっとりと見入ってしまいました。

ラリックのブローチ2点はとても繊細で優美でした。小さなバロック真珠の輝きが魅力的です。

オディロン・ルドンの作品も何点か出品されていましたが、私の大好きな『つづいて魚の胴体に人間の頭をもつ奇妙な生き物が現れた(聖アントワーヌの誘惑第1集5)』もありました。ルドンの幻想的な作品は好き嫌いが分かれるところと思いますが、妙に心惹かれるものがあります。
胸に小さな鰭ののような手のようなものを当てた毛むくじゃらの魚の胴体に憂いを帯びた青年の横顔がのっている不思議な絵。国立西洋美術館の版画室あたりで見たのが初めてだと思うのですが、見るたびについついじっと見入ってしまします。絵葉書が欲しかったのですが、売っていませんでした。残念。展覧会講座として、10月に2回、11月に2回講座が開催されるようです。うまく予定があえば聞きにいってみたいと思います。


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鑑賞日 2011年8月7日(日)
会 場 町田市立国際版画美術館
会 期 2011年6月18日(土)~ 8月7日(日)
入場料 一般600円、大・高校生300円




この美術館を訪れるのは初めて。町田駅から徒歩15分ほどなのだが、今日はとても暑かったので行きはタクシーを利用した。森に囲まれた閑静な美術館だ。今日が最終日だが、人影はあまり多くない。14時からの学芸員さんによるギャラリートークに参加。40前後と思われる学芸員さんの解説は丁寧でとてもよかった。

展覧会のタイトルどおり、19世紀から詩画集として制作されたものを中心に約180点が出品されている。

今回とくに気に入ったのは、1962年に刊行された9人のアーティストによるランボーをテーマにした版画集。特にジャコメッティのものが良かった。人体をそげるだけそいだような彫刻で有名なジャコメッティだが、ランボーの顔を描いた肖像は魅力的だと思った。

ルオーの「悪の華」のシリーズは圧巻だった。版画である事を忘れそうになるほどの白と黒の質感。ルオーの職人魂が迫ってきた。

企画展も面白かったが。常設展示の「素朴な美-フランスの民衆版画-」
「シリーズ〈現代の作家〉長谷川潔」も見ごたえがあった。
常設展の方は9月25日まで会期がある。

鑑賞日 2011年7月31日(日)
会 場 東京国立近代美術館
会 期 2011年5月31日(火)~ 7月31日(日)
入場料 一般1500円、大学生1100円、高校生700円
図 版 2500円

パウル・クレーという画家について、正直言ってほとんど何も知らない。
しかし、彼の作品のいくつかを知っているし、好きか・嫌いかと問われれば、間違いなく、好きと答える。まず第一に、彼の名前の響きが好きだ。「パウル・クレー」その音からして子供が耳元でくすくすと笑っているような心地良さを感じる。ミケランジェロ・ブオナローティなんて聞くと、ちょっと汗臭そうな感じがするし・・・。まあ、そんなことは個人的な感じ方の問題にすぎないのだが。とにかく、最終日、滑り込みで見に行ってきた。

見に行けて良かった!たくさんの作品を見てみて、やっぱり彼の作品は私にとって心地よかった。残業続きの疲れた目と心に優しいというか・・・。

クレーの作品を見ていつも感じるのは「子供」の心だ。彼は生涯子供の心を持っていたんじゃないだろうか。一般に、子供=未成熟・未完成という連想を持たれるかもしれないけれど、私の中では、子供とは、飽くなき追求者であり、自分の中にある規範に忠実な者であるという意味合いが強い。

今回の展覧会の大きな特徴は、「クレーの作品は物理的にどのように作られたのか」をテーマに作品に迫っている事だ。作品が生み出されるプロセスを丁寧に実際の作品や参考資料によって見せてくれているのだが、そこから感じ取れたのは、画家が内的な欲求をいかにして形にしていったら自身の満足が得られるのかに腐心している姿だった。

幼い子供が絵を描いたり、何かを作る時の真剣さはすごい。大人になってしまうと、他者がどう自分の作品を評価するだろうかとか、他の人が作った作品と自分の作品のどちらが優れているかとか気にするようになってしまうけれど、本当に幼い子供はそういう気持ちを持たずに、自分の中にあるものをどうしたら外に出せるかだけに集中するし、自らの求める完成度に忠実でもある。そうやって生み出された作品は、なんとも言えない魅力を持っている。クレーの絵の魅力は、そんな魅力にとても近いように感じる。多分、クレーは絶対自分の作品が大好きだったと思う。

そんな彼の絵を見ながら思った事がある。

たとえば、大昔の作品を見るとき、私はその作者自身の事を何も知らない。作品は完全に作者の人生と切り離されて観賞される。ほどほど近い時代の作品だと、作品と作者の人生との切り離しは完全とは言えなくなる。有名な作者の作品であれば、多少なりとも作者についての情報も入ってくる。自分と同じ時代の作品で有れば、作者の人生と作品を切り離すことはかなり難しいかもしれない。それどころか、作品と作者のあり方はセットになっていると言っていいかもしれない。それがいいとか悪いとかそういう事はどうでもいいけれど、同時代に生み出される作品を同時代人が見るというのは、そういうものなんだと思った。

クレーが自分の作品リストを作り、自分で評価して、ランク付けしていたという事を初めて知って、作品と彼の関係にすごく興味を引かれた。


モーツアルトの作品とサリエリの作品、今の評価ではモーツアルトの方がダントツで上だけれど、彼らが生きていた時代には、逆だったわけだ。何億もの値がつくゴッホの絵だって、彼が生きていた時にはまったく評価されなかった。

後の時代にまで評価される作品と、そうでない作品との間にはなにがあるんだろう?作品の普遍性とか言われるけれど、それって一体なんなのだろう?もやもやと思いを巡らすけれど、明確にはわからない。

芸術作品と作者とそれを売買する人間と所有し観賞する人間と・・・。
作品はそれぞれの人間にとってそれぞれの価値を持っているんだろうなあ。

自分の言葉で作品を見て感じた事、考えた事を突き詰めて行く事ができたらいいのだろうけれど、最近とんとそういう根気に欠けてきてしまった。

ただ素直に作品を見て好きか嫌いか、その絵から頭の中に浮かんでくる自分自身の過去の経験、引き出された感情や連想などを楽しむ事に没頭している。

クレーの作品はやっぱり好きだ。色も形もとてもしっくりくる。こんな作品を描いた彼がどんな人だったのか、興味がわいた。図版を買ってきたので、解説をちゃんと読んで見ようと思う。

鑑賞日 2011年6月26日(日)
会 場 切手の博物館
会 期 2011年4月13日(水)~ 6月30日(木)
入場料 一般200円、小・中学生100円 

目白駅から学習院大学の脇の道を下って約3分にあります。○○の博物館って好きです。特に東京にある小さな博物館は入館料も安いし、人も少なくてのんびりできます。
今回はばらの絵柄を集めた展示ということで、行ってみました。

世界中のばらの絵柄の切手が集められていて、とても綺麗でした。郵便制度が始まったのはイギリスからですが、あっと言う間に世界中に広がりました。切手とは要するに、郵便代を支払ったという領収証みたいなものですけど、それにどうしてこんなに美しい絵柄を印刷するようになったのかすごく不思議です。切手収集は世界中で多くの人々が楽しんでいると思いますが、本当にいろいろな種類があるんですね。ばらの絵柄と言っても本当に様々で、香りつきの切手も展示してあってびっくりしました。

館内には趣味の切手ショップもあって、切手収集を趣味になさっている方々が熱心に品定めしていらっしゃいました。

使用済み切手を使った貼り絵のワークショップなども開催されているようです。小学校2年生くらいの時に国語の時間にお手紙を書くというのがあったように思います。
電子メールが普及した今でも、手書きの手紙をもらうと気持ちがほっこりしますよね。ぜひ、お子様と一緒に切手の歴史に触れてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、次回の企画は7月2日から、「切手になった作曲家」展だそうです。
鑑賞日 2011年6月11日(土)
会 場 目黒区美術館
会 期 2011年6月4日(土)~ 7月14日(木)
入場料 一般1000円、高・大学生700円 中学生以下無料

午前中東京都庭園美術館で「森と芸術」展をみたあと、目黒駅の反対側にある目黒区美術館に足を伸ばした。ちょうど、藤田嗣治の作品展示もあったので、今日は盛りだくさんである。

14時から担当者によるギャラリートークがあるというので、先に藤田嗣治の作品展示を見た。動物と人物というテーマで、収蔵品からの展示だ。藤田嗣治は昔はさほど興味のない画家だったが、上野の森美術館で回顧展を見たり、近代美術館で彼の描いた戦争がを見て、ちょっと気になるようになっている。さほど点数は多くないけれど、なかなか面白い作品があった。特に面白かったのは、親しい人に出したハガキ。今はEメールで手軽に連絡が取れるけれど、当時はハガキでのやりとりが一番安上がりだったのだろうと思う。いたずら描きみたいな書きこみもあってほほえましい感じ。

14時から学芸員さんによるギャラリートークがあった。、初回だということもあってか、ちょっとまだ慣れていない感じか?メモを片手に一生懸命話してくださっていたが、何故、ラファエル前派が、ラファエル以前に自分たちの理想を置いたのかの説明が弱いように思った。学芸員さんにとっては、自明のことも、一般愛好家にはよくわからないことも多いから、その辺はもう少し掘り下げて欲しかったなあ・・・と言うのが正直な感想。

会場に入ってすぐの展示室に大きな「三王礼拝」のタペストリーがかかっていた。バーン・ジョーンズの原画をもとにモリス商会制作されたものだが、タペストリーの最上部に「サー・ジョーンズの原画をもとにモリス商会が作りました」と言うような文言が織り込まれているのを見て、ちょっとへんな気持ちになった。日本語で考えると「ジョーンズ卿原画、モリス商会謹製」なんて書かれているわけなんだなあ・・・。アルファベットだから、日本人の目にはすぐに意味として入ってこないからそんなに気にはならないのだろうけれど、逆に、イギリス人とかはその部分どう感じるのかな?とそっちが気になってしまった。

ラファエル前派はとてもロマンチックな感じがする。漫画家さんでも明らかにラファエロ前派に影響されたと見て取れる方がいるので、逆に、なんとなく漫画チックだなあと感じてしまったりする。
ラファエル前派の描く人物の顔はよく似ているのだが、ロセッティの描く女性は綺麗なのだけれど、ちょっとごつくて男性的な感じもある。特に口元が・・・。ハントの絵はちょっとハリウッド映画見たいな感じがするのはなぜか?ミレイの絵がもしかすると、一番好みかもしれない。バーン・ジョーンズの描く人物のちょっとメランコリックな表情は魅かれるものがある。

雨が降っていたせいもあるかもしれないが、あまり混んでおらずゆっくりと楽しむことができた。

きれいなものが好きな女の子さんがいたら一緒に出かけたら喜びそうです。









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