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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2008年12月6日(土) 
会 場 東京都美術館
会 期 2008年8月2日(土)~2008年12月14日(日)
    入場料 一般1600円 学生1300円 高校生800円 65歳以上900円
図 版 2500円


ヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、言わずと知れた17世紀オランダの巨匠である。彼の名は、半ば伝説的に語られることが多い。彼が生涯に残した作品は僅か三十数点。その静謐で精緻な画風には熱狂的なファンが多いと聞く。ハン・ファン・メーヘレンの贋作騒動などの逸話もあり、その絵そのもの以外にも何かと「物語」がついている画家でもある。2003年に「真珠の耳飾の少女」を題材にした映画も製作され、絵に縁のなかった人たちにもその名を知られるようになったのではないかと思う。

彼の遺した三十数点の作品を全部見たいというマニアも多い。彼の作品1点を見る為にわざわざその美術館を訪れるというのだから、恐れ入る。そんなマニアからして見れば、一度に7点もの作品を見られる今回の展覧会に、狂気乱舞しただろう。調べてみると、彼の作品は結構日本で公開されている。

私は2004年に同じ都美術館で1点、昨年文化村の・ミュージアムで1点見ている。5月にNYのメトロポリタン美術館で4点見たので、今回の7点を合わせると13点を見たことになる。三分の一程度本物を見ることができているわけだ。

確かにフェルメールの絵は魅力的だと思う。特に小品の方がいい。今回聖書に題材をとった大きな2点があったが、あまりフェルメールらしくない感じがした。彼の絵の魅力とはなにか。巨匠の絵にこんな感想を抱いたら、石が飛んできそうだけれど、そう思ったのだから正直に書こう。

フェルメールの絵は「妄想」をそそる絵だ・・・・。

聖書に題材をとった絵がなぜ彼らしくないと感じたかといえば、はっきりとわかりきった題材の絵だからなのだと思う。ではフェルメールらしい絵とはどんなものか。ずばり、「物語」を心に描かせる絵だとおもう。その「物語」は見るものが勝手に想像していい。彼の絵から生み出される「物語」は見る人の数だけあるに違いない。いや、見る度に違う「物語」を想像させすらする。圧倒的な存在感を持ちながら、静かにある絵。こんな絵を所有したら、毎晩妄想に取り付かれて困るんじゃないだろうかとも思う。

来年2月には国立西洋美術館でルーブル美術館所蔵作品を中心に構成された展覧会があり、そちらにもフェルメールが1点出品される。日本に居ながらにして、作品の方が海を越えてやってきてくれる。ありがたいことである。

会期は残すところ一週間。もし、上野に近い方ならぜひ8時に都美術館の前に着くように家を出てください。今日、8:30時点で155人が並んでいました。会場に入場したらわき目も振らずフェルメールの作品の展示室に進みましょう。そうすれば、じっくり見られます。

今回デルフト派の作品も展示されています。思うにどれも日本人好みの静かで美しいものばかり。フェルメールの作品をじっくり堪能したら、戻ってこちらもじっくり見てください。フェルメールの名前ばかり注目されていますが、他の作品もとてもよかったです。


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