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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2008年11月1日(土) 
会 場 国立西洋美術館
会 期 2008年9月30日(火)~2008年12月7日(日)
入場料 一般1500円 大学生1100円 高校生700円
図 版 2500円

19世紀末デンマークを代表する画家ーヴィルヘルム・ハンマースホイの大規模な回顧展。はっきり言って、この画家の存在を全く知りませんでした。もともと、近現代の絵よりも、中世近世のものの方が好みの為、食指が動かなかったのです。いつも展覧会のチケットは姉の伝で安く手に入れているのですが、これは買わなくていいよと言ってあったのです。ところが、姉が珍しくとても良さそうだから行きなよ~と強く勧めるため、そこまで言うならということで、出かけていきました。

午後2時半ごろ到着したところ、美術館の庭に妙なにおいがしています。いったいこのにおいはなんだろうと思ったら、落ちた銀杏が、訪れた人々に踏まれて、独特の臭気を発散していたんですね。いかにも秋というべきでしょうか・・・・。

気を取り直して、館内に入ると、思った以上に込んでいます。それでも、館内は非常に静かです。前回大琳派展の会場では、華やいで楽しそうな雰囲気が会場に漂っているなあと感じましたが、今回は非常に密やかで静かな雰囲気。はたして、展示されている絵は実に静かです。人物も風景も極薄のベールを被っているような画面です。展示室を順に見ていくうちに、どうも変な気持ちになってきます。写実的なのに、どこか現実離れしているのです。繰り返し描かれる建物も、風景も、室内空間も、部屋の中にたたずむ人物も、ある瞬間に時が流れるのが止まってしまったような、そんな感じがするのです。

なぜか、ベルギーの画家、ルネ・マグリットの絵を思い出していました。全くタイプの違う作品のはずなのだが、妙に似通ったものを感じてしまうのです。なぜだろう?描かれたモチーフは写実的なのに、どこか違うと感じさせる何かがあるからでしょうか?

この画家の作品が好きか?と自問してみたけれど、答えはでませんでした。静かで穏やかな画面に、なぜかひたひたと足元をぬらすような寂寞感が感じられるのです。この感じを好きと言い切るには、私は少しにぎやかな人間に過ぎるようです。


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