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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2009年1月18日(日) 
会 場 上野の森美術館
会 期 2008年11月15日(土)~2009年1月18日(日)
    入場料 一般1400円 大学生1200円 中高生700円
図 版 2500円

「エコール・ド・パリ」の寵児と知られる、藤田嗣治に興味を持ったのは最近のことである。学生時代、彼の作品が好きだというクラスメイトがいたが、私は特に興味を持っていなかった。しかし、昨年東京国立近代美術館で開かれた東山魁夷展を見に行ったとき、なんの気なしに入った常設展会場で第2次大戦中に描かれた「アッツ島玉砕」を見たことき、「藤田嗣治」は気になる画家となった。
 藤田嗣治は1955年日本国籍を捨て、フランス人となった。そして、その4年後73歳でカトリックに改宗し、レオナール・フジタと改名している。
 今回の展覧会で一番気になったのは、晩年彼が描いた宗教画である。レオナール・フジタは最晩年に自らの構想により「平和の聖母礼拝堂」をランスに建設、そのフレスコ壁画とステンドグラスを製作した。そして、今、この礼拝堂に彼は眠っているそうだ。
 私は彼の作品をたくさん見ているわけではないけれど、「アッツ島玉砕」の絵を見たとき、これは単なる戦争画を超えた絵だと感じた。そして、今日、彼の遺した宗教画を見て納得した。「アッツ島玉砕」と「平和の聖母礼拝堂」のフレスコ画は全く画風が違うけれど、同じ「祈り」の絵だと感じた。
彼は洋画家ではあるけれど、その技法は日本画的な要素も強い。彼は西洋的なるものと東洋的なるものを融合させることで自らの画風をさせたとも言われる。そして、彼の描いた宗教画はキリスト教的ではあるが、どこか仏画の面影をも感じさせるものだと思った。

今回出品されていた作品の中で一番気に入ったのは、イブの連作。瑞々しい乙女が髪に花を差し、手に持ったりんごを胸元に当てている絵です。背景にたくさんの動物達が描かれています。もちろん、悪魔の蛇も描かれているのですけれどなんとも言えず、このイブのまなざしが透明で美しい。

東京での会期は今日で終了してしまいましたが、福岡市美術館で2月22日~4月19日
せんだいメディアテークで4月26日~6月7日と巡回する予定。お近くの方はぜひお出かけになってみてはいかがでしょうか。

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