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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2008年8月9日(土)
会 場 国立東京博物館 平成館
会 期 2008年7月8日(火)~8月17日(日)
入場料 一般1500円 高学生900円 大学生1200円
図 版 2300円 


近頃美術展がやたらと面白い!学生時代にもかなり美術展を見て回ったが、その頃に比べて、「見せる」という技術が格段に進歩したように感じる。美術館や博物館が独立法人となって、客が呼べなければ、自分達の存在場所が危うくなるという危機感がそうさせたのか、自由裁量の部分が広がり、前例がないからと却下されていたような企画が通るようになったためなのか、はたまた物心付くと同時にTVというメディアに親しんできた世代がいよいよ学問の世界においても中核をなすようになったためなのか、そのあたりは理由を一つに絞る必要はないだろうが、とにかく最近の美術展は企画コンセプトが面白くなってきた。
「対決」と銘打って11組の日本美術史に燦然と輝く巨匠達の代表作を一同に集め、その魅力を比較することによって一層鮮やかに感じ、味わい、楽しんで欲しいという非常に遊び心溢れる企画である。
「国華」(東洋日本美術史研究雑誌)創刊120周年と朝日新聞創刊130周年を記念して開かれたこの展覧会は、国宝、重要文化財を含む100点ほどの展示で、出品数としてはさほど多いわけではない。しかしながら、いままでよく比較対照されてきた作家の作品が、実際に並べて置かれるという夢のような展示なのだ。並べてみるからこそ分かる、似て非なる個性の競演。かつてこんなに胸踊る展示があっただろうか?薄暗い展示室でただ過去の遺物として並べられるのではなく、その時代を生きた人間の強烈な個性の発露を突きつけられたような、新鮮な驚きに満ちた展示だった。その上、音声ガイドがなんと、60年代生まれにはたまらない声優さんたちの競演となっている。たった500円で青春時代に親しんだ声優さんたちの声で解説が聞けるなんて、なんてすばらしい!!絵画オタクで且つアニメオタクでもあった私としては、もう、涙が出るほどうれしい企画だろう。
11組それぞれの対決はどれも面白かったけれど、特に宗達VS光琳は学生時代、教えを受けたY教授の授業を思い出し、ひときわ感慨深かった。宗達研究の第一人者でいらしたY教授は本当に宗達の作品が大好きで、うれしそうにスライドを見ながら技法のことや宗達の作品の独創性や芸術性の高さをお話くださっていた。青春時代の楽しい一こまを、懐かしく思い出す展覧会でもあった。
 会期はあと一週間ほどしかないが、実に楽しい企画展なので、時間が許すのであれば、ぜひ見に行かれることをお勧めします。


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