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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2008年9月21日(日)
会 場 Bunkamura ザ・ミュージアム
会 期 2008年8月30日(土)~2008年10月26日(日)
    入場料 大人1400円 高校大学生1000円 中学生700円
図 版 2500円 

19世紀イギリスの巨匠ジョン・エヴァレット・ミレイの全貌を紹介するような回顧展が開かれるのは1898年ロイヤル・アカデミーで開かれて以来110年ぶりだそうだ。イギリスから遠く離れた日本で開かれるというのが、なんとも不思議なことのように思われる。

正直いって、私はイギリス絵画にあまり興味関心を持ってこなかった。その為、ミレイについても代表的な作品について見たことはあっても、詳しいことは全く分らなかった。

今回、ポスターに使用されているように、彼の代表作「オフィーリア」はミレイの名を知らなくても、見たことがある人が多いだろう。非常に細密な草花の表現や、水にたゆたい今正に水底に沈もうとする狂気の乙女の表情は、非常に印象的で、一度見たら忘れることができないものだ。

今回の展覧会では、11歳という史上最年少でロイヤル・アカデミー・スクールへの入学を許された天才少年のコンクール初受賞作品の素描から、晩年の幻想的な風景画まで、彼の生涯を網羅した作品構成で非常に見ごたえがあった。

この時代の作家についての知識が乏しすぎるので、あくまでも作品から感じ取ったものの感想にしかならないが、ミレイには「神から贈り物をもらった者」特有の無邪気さを感じる。例えていうなれば、モーツアルトの音楽のような独特の軽やかさとさりげなさ、明るい繊細さを持っているように思われる。
的確なデッサン能力と色彩感覚があるからこそ、下手をすればあざとく俗っぽくなってしまいそうなものも、彼独特の美意識を表現するものとして成立しているように思う。

あまり難しいことを考えるより、素直に美しいと感じられる作品ばかりだと思う。

特に気に入ったのは発表当時不評だったという、《両親の家のキリスト》、《初めての説教》と《二度目の説教》の連作、《ローリーの少年時代》、《聖ステパノ》。

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