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DNAの展覧会鑑賞記録帳
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鑑賞日 2008年1月2日(水)
会 場 Bunkamura ザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/index.html
会 期 2007年12月1日(土)~2008年1月20日(日)
    郡山展 2008年2月 2日(土)-3月23日(日) 郡山市立美術館
    松本展 2008年4月 8日(火)-5月18日(日) 松本市美術館
    京都展 2008年5月 24日(土)-6月22日(日) 美術館「えき」KYOTO
入場料 大人1300円 高校大学生 900円 中学生600円
図 版 2500円 

2008年初美術展鑑賞。昨年秋にBunkamura ザ・ミュージアムで「ヴェネチア絵画のきらめき展」を鑑賞した際に、次回展覧会予告のチラシをもらった 。それが今回の「アンカー展」である。黒い背景に細かいチェックのスモックを着た金髪の少女が2匹の子猫を抱いている愛らしい絵が刷られていた。聞いた事の無い名だったのだが、娘がチラシの絵を見て、ぜひ見たいと強く希望したので、それでは、とたいした期待もなく前売りチケットを購入した。
正直言って、びっくりするほど私好みの絵だった。静謐で清潔感に溢れ、非常に端正な作風に、期待せずにいったはずの私はその世界に魅了されたっぷり1時間以上も見てしまった。
アルベール・アンカー(1831-1910)は、スイスの中央部のインス村(ドイツ語名/フランス語ではアネ)出身の、19世紀のスイス画家で、今も国民的画家として衰えぬ人気を誇っているという。しかし、日本ではほとんど彼の名は知られていない。今回ベルン美術館の協力を得て、日本で初めて本格的にその画業を紹介する回顧展だと言うのだから、無理もない。油彩を中心に素描も含めた100余点の作品が出展されている。
アンカーの絵を見て、懐かしさを感じない人はいないと思う。彼はインス村の子供や老人たちの日常を愛情深く描いている。子供たちの愛らしさと真摯さ、老人たちの子供たちに向ける慈愛のまなざしは、時代や場所を越えて人間の持っている豊かな愛情を的確に表わしている。19世紀産業革命に伴いフランスの多くの芸術家たちは新しい表現方法を求めていた。モネ、マネ、ルノワールら同時代人が切り開いていった新しい方向性から見れば、アンカーは保守的で伝統的にも見える。しかし、アンカーが描きたかっただろうテーマはゆるぎないもので、彼の的確なデッサン力と詩情溢れる色彩感覚に裏打ちされて、これからもその魅力が色あせることは無いだろう。
 日本では紹介されていないすばらしい作品が、まだたくさんあるのだと実感した展覧会だった。もっとアンテナを高くしないといけない。今回は、一枚のチラシから鋭くその魅力を嗅ぎつけた娘の嗅覚に脱帽である。お礼の気持ちを込めて、売店で買ったスイスのキャンデイを彼女には進呈した。


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こんにちわ
今年も興味深い美術展が目白押しですね。ワタシはルーブル美術館展のベルばらチケットを購入してしまいました(笑)。
プチよしこ 2008/01/12(Sat)23:32:39 編集
ほんとうにたのしみです
プチよしこさま いらっしゃいませ。ルーブル展私もものすごく楽しみにしています。大好きなブーシェのポンパドール夫人の絵もきます。講演会もいろいろ企画されているようなので、いかがですか?都美術館の講演会は当日先着順だったと思いますよ。
dna URL 2008/01/13(Sun)00:20:32 編集
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